10017204 ゆんゆん 『剛剣-忠奉-』
今日は早く登校する用事も なかったのだが…
マスターは今、道場に向かっている
【マサムネ】
…………
マサムネはさも当たり前かのように 一人正座をして瞑想していた
【マサムネ】
…ん、主君!
マサムネはマスターに気づくと どこかうれしそうに微笑む
【マサムネ】
…なんだか来てくれる気がしていた
そういうマサムネの顔は ほんのり赤くなっていた
朝の透き通った光の中… マスターとマサムネは瞑想する
朝の光に包まれて 「心が洗われる」という マサムネの言葉がよくわかる
【マサムネ】
…ああ、そうだろう
だが…理由はきっとそれだけではない
選択肢:
- 道場の静けさ…とか? → select_label_01へ
- 畳と木の匂い…かな? → select_label_02へ
- 適度な肌寒さ…? → select_label_03へ
…ああ、そうだろう だが…理由はきっとそれだけではない
select_label_01:
【マサムネ】
ああ、二人だけだからな…
select_label_02:
【マサムネ】
マスターの匂いもする、がな…
select_label_03:
【マサムネ】
私はほのかに温かいぞ…
select_label_end:
【マサムネ】
主君よ…
拙者は本当に感謝している…
【マサムネ】
主君はいつでも…
こうして心を砕いて接してくれる…
【マサムネ】
主君のその在り方に…
拙者は深い尊敬と信頼を抱いている…
【マサムネ】
その証拠に…
主君から名を呼ばれると…
心にぬくもりを覚えるのだ…
瞑想で頭が クリアになっているからだろうか
マサムネの飾らない言葉は マスターの中にまっすぐに入っていく
【マサムネ】
剛の剣の使い手であった拙者が…
柔の剣も身につけることが
できたのは…
【マサムネ】
ひとえに、主君のお陰だ…
【マサムネ】
この筆舌し難い感謝の念に…
あえて名前をつけよう…
【マサムネ】
『剛剣-忠奉-』
この想いは…我が剣に宿るであろう…
それはまさしく 彼女が新たなスキルに 目覚めた瞬間だった
それからしばらく 無言の時間が流れた――
【マサムネ】
…ふ、だめだな
急に、精神が乱れてしまった
まだまだ未熟だな…
そういって苦笑するマサムネ…
いや、照れ笑い…?
【マサムネ】
…おそらくこれは主君のせいだ
そう言ってマサムネは この上なくふわりとした 笑顔をマスターに向けた
それきり再び目を閉じて 瞑想に落ちていくマサムネと
なにも聞き返さずに 同じく目をつむるマスターの
静かな時間が、流れていった――
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