100303020 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第3章 デモンズルール 第3話 惑わされた捜索 STAGE2
【ゲバルト伯爵】 流麗可憐なる妖精の国の姫君よ! その目覚めを万雷の拍手と喝采で 迎えよう!
【ゲバルト伯爵】 貴女の瞼に目覚めの口づけをした 朝焼けの妖精に嫉妬すら覚えるよ おはよう、ナディア姫
【ナディア】 …おはようございます
【ヤグルシ】 ビックリした? 伯爵様はいっつもこんな感じだから そのうち慣れるよ
【ゲバルト伯爵】 ヤグルシ!大いなる知恵と力を 有する王の血を得た幼き支配者よ 口を慎みたまえ
【ゲバルト伯爵】 私は理想郷への羅針盤と邂逅した 類い希な栄誉に心身の躍動を 抑えきれずにいるのだ!
【ゲバルト伯爵】 申し遅れた 私はゲバルト…あとは冗長だ! ゲバルト伯爵と覚えてくれたまえ
【ナディア】 よろしいですか、伯爵
【ゲバルト伯爵】 聞こう! 美しい者の言葉には傾聴の価値がある
【ナディア】 私をどうなさるおつもりですか?
【ゲバルト伯爵】 ナディア姫! ああ!ああ!ナディア姫! それはいけない!
【ゲバルト伯爵】 貴女ほどの人物がそのように陳腐な 質問をしては野辺に咲く花々も嘆きに 夜露を流すだろう
【ナディア】 えっ…?
【ゲバルト伯爵】 貴女の薄紅色の唇から紡がれるべき 言葉はもっと上品で高尚で、 なにより詩的であるべきだ
【ナディア】 私をからかっているのですかっ?
【ゲバルト伯爵】 嘲弄は私と真逆の性質だよ 悪戯姫は飼っているけれど、 私はいつだって真摯で紳士だ
【ナディア】 …………
【オティヌス】 その悪戯姫っていうのは、 あたしのことかな?
【ヤグルシ】 あ!オティヌス帰ってきたんだ~っ
【オティヌス】 ただいま~ 伯爵様もただいま~
【ゲバルト伯爵】 ああ!噂をすれば影が立つ! 私の枕を石に変え、布団の中に 蛙を潜ませる
【ゲバルト伯爵】 幻惑と困惑と誘惑の悪戯手品師 オティヌス! 随分と遅い帰還だね
【オティヌス】 伯爵様のご命令通り、奴隷達に ちょっとした幻覚を見せてきたよ その途中で面白い子に会ったんだ
【ゲバルト伯爵】 オオッティモオオオ! 君は何て優秀な姫なんだろう
【ゲバルト伯爵】 夜空の星々がこぞって瞬き、 君に横溢なる祝福を与えているよ
【オティヌス】 パラケルススが後始末をいい加減に するから、手間が増えたよね
【パラケルスス】 わたくしに何か言いたいことでも あるのかな?まあ、君の言うこと なんか聞く気はないけどね
【雑賀】 二人ともやめて欲しいっす 伯爵様がナディア姫とお話ししてる 最中ですよ
【ゲバルト伯爵】 ありがとう!ありがとう雑賀! 君の知略と勇気と血への渇望に サタンの加護があらんことを!
【ナディア】 質問に答えて下さい、伯爵! 私は…なさねばならないことが あるのですっ…
【ゲバルト伯爵】 カッティーヴォ…! 麗しき姫君を愁眉に曇らせるとは… 致し方あるまい
【ゲバルト伯爵】 凡庸な問いではあるが、 誠心誠意、お答えしよう
【ゲバルト伯爵】 ナディア姫、貴女は大切な 「切り札」であることを 自覚しているだろうか?
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