10054201 ダモクレス きりりと風紀指導
五月晴れ――
気持ちのよい朝 清々しい気分で校門をくぐる マスターだったが…
目の前をゆく聖ユグのお嬢様たちは どこか覇気がなく… むしろゆるゆるな雰囲気…?
【リットゥ】 なにをぼーっと突っ立っている!
【リットゥ】 まさか玄関まで来て… 学校に行きたくなくなった などと言わないだろうな?
なにやら名簿らしきものを持った 風紀委員のリットゥが 厳しく立っていた
【リットゥ】 …ふむ どうやらお前はいつも通りだな 通ってよし!
通ってよし…? 一体、なんのチェックなのだろうか
【リットゥ】 …お前も気づいているんだろう? 弛緩し切った学院の空気を!
【リットゥ】 聖ユグドラシル生に あるまじきこのたるみを あるべき姿に導くべく…
【リットゥ】 我が友パラシュが 自主的に風紀指導をしているんだ
【リットゥ】 大切な友人だからな 私も協力している
まさか、いつもきりりとしている 聖ユグ生の間で五月病的なものが はやっているとは…
意外だとは思いつつも 周りを見渡す限り、納得するしかない
【リットゥ】 ほら君、上着はどうした! 聖ユグドラシル生としての節度は 常にしっかり持ちたまえ!
事実、こうして目の目の前で 次々に生徒が指導されている…
力のこもったリットゥの姿に マスターは感心するばかりだった
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