100702040 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第7章 ツイン・ウェイク 第2話 二人の理由 STAGE4
【部下】 …様! 郷原様!
【郷原】 ん…? ああ、すまん ついたのか?
【部下】 はい… ここが桐生の支配していた区画… だったところです
【郷原】 ここが…酷い有様だな…
【部下】 桐生が死んだ折、暴動が起きて 何もかも焼き尽くされたとか… 哀れな結末ですね
【郷原】 桐生… 結局、ワシはオヌシに何も教えられ なかったのだな…
【部下】 郷原様!? 車を降りては危険です!
【郷原】 構わん 少し歩く…
【郷原】 悪魔との戦いは 新たな局面を迎えていた
【郷原】 悪魔に対抗する組織『ラグナロク』の 一部隊が魔王ルシファーを倒したのだ
【郷原】 しかし、それまで力を蓄えていた ベルゼブブが勢力を拡大
【郷原】 新たな悪魔のトップとして君臨し 『ラグナロク』と戦いを続けている
【郷原】 桐生よ… 何故、悪魔の誘いに乗った
【郷原】 ワシも清廉潔白な身ではないが、 人としての矜持は保ってきたつもりだ お前にもそれを教えたはずだが…
【郷原】 やはり、あのとき… 引き止めておくべきだったか…
【住人1】 おい、そっち持ってくれ!
【住人2】 任せろ! ようやくこの辺も片付いてきたな
【住人3】 みんなー! ご飯だぞーっ
【住人達】 おおーっ
【郷原】 …そうか 混沌と絶望の中でも、 歩み続ける者達はいるのだな
【郷原】 袂を分かったとはいえ、 桐生はワシの弟子だった男だ 尻ぬぐいくらいの気持ちだったが
【郷原】 ビッグ4ばかりに 良い顔をさせてはおけんな ワシも彼らに投資するとしよう
【郷原】 これが桐生への、 せめてもの手向けだ
【郷原】 ワシは政財界に顔が利く その伝手を使い『ラグナロク』への 支援を行うことにした
【郷原】 その中で、キラーメイル及び キラープリンセスのことを知ったのだ
【郷原】 特にキラープリンセスは悪魔との 戦いにおいて切り札たる存在だった
【郷原】 しかし同時に彼女達は未完成でも あった…故に天上世界へと送り、 完全体となる必要があったのだ
【郷原】 より強力なキラープリンセスを 生み出すため、ワシは実験を進化させ 新たな要素を加えることにも成功した
【郷原】 そして、彼女達に出会った――
【ウルリカ】 ウルリカと言いま~す 隊長と同じように看護師でもみんなを 守れる力が欲しくて来ました!
【リンファ】 リンファだ! おいしいものいっぱい食べさせて もらえるって聞いたぞ!
【???】 名前とかどうでもいいでしょっ… 悪魔の力を利用できるかもって ヴァリンさんが言ってたから…
【チトセ】 兄の…力になりたいんです… 守られてばかりじゃイヤなんです! あ…相模千歳と言います
【シオリ】 ティルフィングさんに助けて いただいたことがあって 私も、あんなふうになりたくて!
【アオイ】 動機は…友達のため、です
【郷原】 様々な思いを胸に、彼女達は 実験体に志願してくれた
【郷原】 ワシは全力で支援し、 新たなキラープリンセスを生み出す ことに成功した
【郷原】 これで悪魔に対抗できる 希望を取り戻せる そう誇らしさすら感じていたのだ
【郷原】 実に、傲慢な考えだった
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