100802060 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第8章 アビス・メモリー 第2話 反転する真実 STAGE6
【老人】 これが…わしの孫…だったものじゃ…
【レーヴァテイン】 どういうこと…? 人間の体が半分、天使になって… いや、違う…
【レーヴァテイン】 人の体の中から、 天使が出ようとしてる途中…
【老人】 その通りじゃ… “白羽”を得て、しばらくは 元気にしておった
【老人】 天使人としてミカエル様の下で 健やかに育ってくれる そう、わしも息子夫婦も信じておった
【老人】 それが、ある日、突然っ… この子の背中を突き破って天使が 顔を出して…その途中で…
【レーヴァテイン】 体の方が耐えきれなくなって… どちらも死んだのね…
【老人】 わしも息子夫婦も何が起きたのか 理解できなんだ…
【老人】 何とか遺体を引き取ることはできた ものの、他の天使人の方々から 説明を受けることは叶わず…
【老人】 息子夫婦は失意のうちに瘴気の毒に やられて、先日…
【老人】 こんな老いぼれだけが残ってしもうた …お嬢さん、あんたには理由が 分かるかね?
【レーヴァテイン】 …分からない
【老人】 わしゃ、医者じゃからな… 心を鬼にして…この子の体の一部を 採取して調べたんじゃ…
【老人】 そして、信じられんことを知った お嬢さん、悪いことは言わん あの“白羽”は今すぐ廃棄せい
【老人】 あれは人々を救う恩寵などでは ない…むしろ逆なんじゃっ
【レーヴァテイン】 逆…? 何が逆なの…?
【老人】 “白羽”は言うなれば『天使の種』 この子は…天使の種を植え付けられ 体内で育てていたに過ぎん…
【老人】 ミカエルはっ…わしの孫を、天使の 苗床にしおったんじゃぁぁぁっ…
【レーヴァテイン】 人間を…苗床に…? そんな、まさかっ… 何でそんなことをっ…
【老人】 お嬢さん…その答えは、 今すぐ瓶の蓋を開ければ分かる
【老人】 その“白羽”は…瘴気に当てられた 途端、枯れ果てるんじゃ…
【レーヴァテイン】 人々を瘴気から守る“白羽”が 瘴気に弱い…?
【老人】 じゃから…それが逆なんじゃよ… “白羽”はもちろん 悪魔の“血”も獣の“肉”も
【老人】 人を瘴気から守ったりはせん 逆なんじゃよ
【老人】 瘴気に弱い“白羽”を守るため ミカエルは人間の体内にそれを 植え付けておる
【老人】 自分の仲間達を人の体内で 培養するためにのう
【レーヴァテイン】 あ…う…そんなっ… そんなこと… そんなおぞましいことがっ…!
【老人】 わしの妄想だと思うかっ? なら、この子はなんでこんな姿に なってしもうた!?
【老人】 答えてくれ!答えておくれ、 お嬢さん…!! わしの孫を…返してくれぇ!!
【レーヴァテイン】 は…離してっ…!
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