100904040 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第9章 シンボル・クライシス 第４話 人間の奔走 STAGE4
トレイセーマ陣営内――
【カシウス】
せっかく逃れ得た宿命の奔流に
自ら飛び込んでくるなんて…
度し難い天衣無縫っぷりね
【アルマス】 よく分からない挨拶、ありがとう この前は、もう話すことはない、 みたいな態度だったのに…
【カシウス】
刻一刻と刻まれる時の流れは
全ての事象を変化させ、裏を表に
表を裏にすることもあるの
【アルマス】 …ようするに気が変わったって 言いたいんでしょ
【ティターニア】 よく分からないと言いながら、 アルマスは彼女の言葉を理解できて いるようですね
【アルマス】 昔、そこそこ長く一緒にいたから でも、カシウスの考えが 絶・意味不明なのは間違いないわよっ
【カシウス】
あなたがマスター…
運命の導き手なのね？
【アルマス】 カシウスはマスターについて 何か知ってるの？
【カシウス】
原初の母である地底にその記録は
残されていない…
興味深い存在よ
【アルマス】 つまり何も知らないから知りたい って言いたいのよね？
【カシウス】
その問いに関しては、否と答える
道理をわたしは持ち合わせていない
【アルマス】 普通に「はい」って言えーっ
【ティターニア】 なかなか手強そうな方です…
【カシウス】
アルマス…
あなたにとっては自明な事柄を
改めて問いの天秤にかけるわ
【カシウス】
残酷で凄惨な過去と直面してまで
原初の地へ赴こうとしているのは
如何なる理由からなの？
【カシウス】
あなたには、
何も知らず幸せに朽ちる道も
あったはずなのに…
【アルマス】 本当に、聞くまでもないことを 聞くのね カシウス、勘違いしないで
【アルマス】 私にとって、何も知らないまま 一人だけのうのうと生き延びることは 幸せなんかじゃない
【アルマス】 確かに残酷な過去があった… 危うくそれに飲まれかけもしたわ でもね…
【アルマス】 私は私が何者であるかを知って、 何を為すべきかを知った
【アルマス】 あなたの言う通り、私には何の 「運命」も刻まれなかった 私は不要な存在だった
【アルマス】 でも、私を大切に思ってくれる人が 地上まで逃がしてくれて、 オベロン様やティニに出会って
【アルマス】 空っぽだった私の中に、 為すべきことが生まれていったの
【アルマス】 与えられた「運命」じゃない 私が見つけた「運命」 それに従って私はここまで来た
【アルマス】 もちろん、ティニやナディアや マスターや、たくさんの力を借りてね
【アルマス】 だから私は私の意思で深奥を目指す！ そして「神」にガツンと一発、 食らわせてやるのっ
【アルマス】 あなた、何様のつもり！？ ってね
【ティターニア】 アルマスっ この子はまた、乱暴なことを…
【カシウス】
そう…憐憫も遠慮も
相応しくなかったのね
あなたはあなたの道を見つけた
【カシウス】
ならば…わたしもわたしの言葉を
あなたに向けて紡ぎましょう
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