100904050 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第9章 シンボル・クライシス 第４話 人間の奔走 STAGE5
【アルマス】 もしかして、カシウスの本音が 聞けるってこと？
【カシウス】
わたしの心の奥に仕舞ってあった
感情の発露をあなたがそう定義するの
なら、肯定せざるを得ないわ
【アルマス】 ややこしいっ…
【ティターニア】 何だか私まで疲れてきました…
【カシウス】
アルマス、前回の邂逅でも伝えた通り
あなたがこの地に踏み入ることを
わたしは望んでいなかった
【カシウス】
ビフレストで別れたとき、
運命の輪は私達を
再び引き合わせると感じた…
【カシウス】
それは同時に
悲劇の幕開けでもあると
【カシウス】
もし再会するのなら、それはきっと
深奥に住まう“観察者”が
あなたの参入を認めたから
【カシウス】
せっかく運命から排除され、
あなたはあなたとして生きる機会を
得たというのに…
【カシウス】
自ら過酷な運命に
取り込まれようとするだなんて、
悲劇よ…
【アルマス】 さっきも言ったけど、 私は自分の意思で――
【カシウス】
それでもっ…！
地底に降りた時点で、あなたは
“観察者”に見られている
【カシウス】
演者の一人として…
盤上の駒の一つとして…
運命の歯車に組み込まれたの…
【カシウス】
覆すのは至難の業
わたしには運命の流転を見守り続ける
ことしかかなわない…
【アルマス】 …もしかしてカシウス 落ち込んでるの？
【カシウス】
人々の死と生が鋭い刃となって
私の胸に傷を負わせる…
【カシウス】
一体、どれだけの生贄が
必要になるというのか
想像もつかないわ…
【アルマス】 何となく分かってきたわよ
【ティターニア】 本当ですか、アルマスっ？ 私にはさっぱりです…
【アルマス】 端的に言うと、カシウスは地底の 深奥に潜む「神」だか何だかに 私達が翻弄されていることが悲しくて
【ティターニア】 ごめんなさい… もっと端的に
【アルマス】 言ってるでしょ！？
【アルマス】 ええと、つまり… あ、そっか
【ティターニア】 どうしました？
【アルマス】 カシウス、だらだらと喋ることなんて なかったのよ ようするに、あなた
【アルマス】 私のことが心配だったんでしょ！
【カシウス】
…………心配？
【アルマス】 そうよ 昔っから、あなたってボーッと しているようで周りをよく見てたもの
【アルマス】 だから、先のことを気にしすぎて そのことに悩んでたのよ 優しいから
【カシウス】
わたしが優しい？
それは…
想定外の見解ね…
【アルマス】 ありがとう、カシウス 心配しなくても大丈夫よ
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