101003030 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第10章 ラストゲート 第3話 困惑の果てで… STAGE3
【マサムネ】 ムラマサ、拙者の言葉を信じて欲しい 姉としてそなたを謀ることなど 断じてないと、この刀に誓う
【ムラマサ】 その御言葉… 何故、トレイセーマの平等理念に 誓うと仰せにならないのですかっ?
【ムラマサ】 やはり姉様の心には良くないものが 棲みついているのです
【ムラマサ】 拙者がそれを断ち切ってみせます!
【シャルウル】 まあ… そのように殺気立って
【シャルウル】 刀を収めて下さい、ムラマサ ここは私が引き受けます
【マサムネ】 シャルウル…! そなたが来ておったとは…
【シャルウル】 アルテミスから聞きましたよ マサムネ 心を乱しているそうですね
【マサムネ】 拙者は正気だ! そなた達こそ獣刻によって 縛られておるのだっ
【ムラマサ】 姉様っ…
【シャルウル】 安心して下さい、ムラマサ マサムネの高潔さは私もきちんと 理解しています
【シャルウル】 マサムネ、教育係として 今からあなたを研磨します
【マサムネ】 その必要はない! 拙者は正気だと何度言えば――
【シャルウル】 はい、分かっていますよ あなたはいつだって たしかな信念を持っている方です
【シャルウル】 大切なもののためなら、その身を なげうつことも厭わない勇気と 優しさを兼ね備えた立派な方です
【シャルウル】 ですから、いっときの気の迷いも すぐに修正することができますよ 私がそのお手伝いをしますから
【シャルウル】 ともに苦難を乗り越えましょう ねえ、マサムネ
【マサムネ】 あ…ううっ… 違うのだ、シャルウル… 拙者は…
【シャルウル】 立ち話も何ですから座りましょう さあ、こちらに
【シャルウル】 ムラマサ、席を外して下さい 妹の前ではマサムネも弱音を 吐けないかもしれませんから
【ムラマサ】 せ…拙者は… 姉様っ…
【シャルウル】 さあ、ムラマサ
【ムラマサ】 …はい
【マサムネ】 シャルウル、 拙者はそなたを信頼しておる だから正直に話すのだ
【マサムネ】 そなた達は獣刻によって… さらにエドゥーでの「教育」によって 己の意思をねじ曲げられておる!
【シャルウル】 マサムネ…分かりますよ、 あなたの孤独… 強さは脆さと表裏一体です
【シャルウル】 ですから、つい良からぬ言葉に 耳を傾けてしまったのですね でも、もう大丈夫
【シャルウル】 私がもう一度、あなたを研磨して 光り輝かせてみせますからね
【マサムネ】 シャルウルっ… 違うのだ…! くぅっ…
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