101003040 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第10章 ラストゲート 第3話 困惑の果てで… STAGE4
【ムラマサ】 …………
【ムラマサ】 姉様は… シャルウルにお任せしておけば、 きっと大丈夫…
【ムラマサ】 きっとまた… 凛々しい姉様に戻って下さるはず… それなのに…
【ムラマサ】 拙者は… どうしてこんなに…
【カシウス】 惑いは移ろいを続けるもの 己の尾を噛んで巡るに等しい 永遠の苦悩よ
【ムラマサ】 カシウス殿っ? このようなところにお一人でっ なりませぬっ
【カシウス】 わたしを呼んだのは あなたの惑いと苦しみよ
【カシウス】 八つの大口ですら飲み込めぬ苦悩に その身を喰われそうに なっているから…
【ムラマサ】 あっ… それは…その…
【カシウス】 始まりと終わりは同じ 輪廻の一部に過ぎないの あなたの惑いの根元はどこ?
【ムラマサ】 拙者の惑いの…根元…
【カシウス】 巡る苦悩の輪に囚われていては 解脱に至らない 本質は、もっと奥底に眠るの
【ムラマサ】 …はい 分かっています 拙者は…不埒者ですっ…
【ムラマサ】 この胸のわだかまりは… 姉様の仰ることを信じたいと思う 拙者の弱さなのですっ
【ムラマサ】 トレイセーマの平等理念を疑うような 姉様の言葉を…受け入れそうになって いる自分がいますっ…
【ムラマサ】 拙者は…何という不埒者でしょう…!
【カシウス】 いまだ輪廻の輪から抜け出せず 偽りの枝にしがみつこうとするのね…
【ムラマサ】 拙者が偽りを申していると 仰るのですか…!?
【カシウス】 あなたを支え続けてきたものは何? 常に側にあって力を与えてきたものは 誰の手にあったものなの?
【ムラマサ】 カシウス殿、仰る意味が…
【ムラマサ】 …拙者を支え続けてきたもの? 常に拙者の側にあって… それは…この刀…
【ムラマサ】 拙者には…拙者には分かりませぬ! たしかに、いつも姉様を側に 感じておりましたっ
【ムラマサ】 離ればなれになっていても不思議と 姉様をお側に感じていたのですっ けれど…
【カシウス】 惑いの底にある根元を掴むことは 最も辛く苦痛を伴うの でも、それこそが本心
【カシウス】 あなたの偽らざる本心よ ムラマサ
【ムラマサ】 拙者は…拙者は… あああっ…姉様!
【ムラマサ】 姉様!姉様!姉様! 姉様を信じたい…! ですが、それは許されないのです…!
【ムラマサ】 拙者は… トレイセーマの斬ル姫なのですからっ
【カシウス】 運命は流転し加速していく… 深奥に近づけば近づくほど
【カシウス】 わたしの予測が正しいのなら …もう手遅れかもしれないけれど
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