101003050 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第10章 ラストゲート 第３話 困惑の果てで… STAGE5
【シャルウル】
…そうですか
あなたのお話は
とても興味深いものでした
【マサムネ】
信じてくれ、シャルウル…
聡いそなたなら獣刻の縛めに
囚われていても――
【シャルウル】
もう大丈夫ですよ、マサムネ
今まで辛かったでしょうね
【マサムネ】
分かってくれるのか、シャルウル！
【シャルウル】
もちろんですよ、マサムネ
ごめんなさい…あなたの苦悩に
今まで気づいてあげられなくて
【マサムネ】
シャルウル…？
【シャルウル】
私達は皆、自由意思を奪われている
そのような妄言にすがらないと
心の平静を保てないほどに…
【シャルウル】
あなたは苦しんでいたのですねっ
【マサムネ】
そうではないっ…！
そうではないと何度言ったら――
【シャルウル】
マサムネ、私がいます
もちろん私だけでなく多くの仲間が
あなたの側にはいるのですよ
【シャルウル】
辛いときは頼って下さい
ときに弱音を吐くことも良いでしょう
そしてまた前を向きましょう
【シャルウル】
あなたは強い斬ル姫です
すぐに立ち直れます
私が研磨してみせますっ
【シャルウル】
トレイセーマの平等社会実現のため
ともに戦いましょう
【マサムネ】
あ…あああああっ…！
シャルウル…そなたは…
【マサムネ】
そなたは…仲間であれば
これほど心強い者はいない…
【マサムネ】
だが…敵に回したとき…
これほどまでに恐ろしい存在で
あったとは…
【マサムネ】
お願いだ…
拙者の声を聞いてくれ…
拙者の言葉を理解してくれ…
【シャルウル】
もちろんですよ、マサムネ
あなたの本当の声を私はきちんと
聞いています
【シャルウル】
あなたが口に出来ない本音も、
あなた自身が気づいていない本心も
私には伝わっていますから
【シャルウル】
だから安心して
戯れ言や妄言にすがる必要は
どこにもありません
【シャルウル】
あなたは立派な
トレイセーマの斬ル姫です
【マサムネ】
うああああっ…！
助けて…助けてくれっ…主君…！
【ムラマサ】
姉様！
【マサムネ】
！！
【シャルウル】
あらあら！
どうしたのですか、ムラマサ？
そんな切羽詰まった顔をして…
【ムラマサ】
シャルウル…姉様を解放して下さい！
姉様を…これ以上、苦しめないでっ
【シャルウル】
その頼みは拒否します
まったく…失望しました…
【シャルウル】
オーダーキラーズともあろう方が
向こう見ずな行動を取るなんて
【シャルウル】
あなたも
研磨しなければならないようですね
【マサムネ】
ムラマサ、拙者は大丈夫だ…！
早々に立ち去れっ
【ムラマサ】
姉様っ…
イヤです！
拙者は姉様を――
【シャルウル】
さあ、ムラマサ
あなたもこちらに
【ムラマサ】
うっ…
【カシウス】
母なる大海は大蛇をも睨み据えるのね
…シャルウル、あなたの砂時計を
いっとき、わたしに託して
【シャルウル】
カシウス様っ…！
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