101102060 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第11章 ロストラグナロク 第2話 災厄との対話 STAGE6
【???】 “バベルの塔”計画によって 当時の人間達は人工の神を 作り上げようとした
【???】 ところが、 それは私の予想していたものとは 異なっていたんだよ
【フェイルノート】 お前の予想と違った? 人工の神とはどんなものだったの?
【???】 人間達が作ろうとしていた「神」は… 口にするのもおぞましいものを 増幅する存在だった
【???】 アレが完成してしまったとき、 人々はより深く強く他者と繋がり、 互いを知ることになる
【???】 そういう代物だったのだよ あの「神」は
【フェイルノート】 なによ 急にぼかしたわね 口にするのもおぞましい?
【???】 完全の生命とは 個として完成されている存在なんだ
【???】 そこに他者の介在する余地はない 必要がない 故に共鳴もしない
【???】 そうして一人一人が自立し自律する 世界において初めて“千年王国”が 実現するんだよ
【???】 それなのに、当時の人間達は “千年王国”への道を捨ててしまった その傲慢さで道を誤ったんだ
【フェイルノート】 よく分からないわ お前の言う「傲慢」とは 何なの?何を誤ったというの?
【???】 「共鳴」だよ 他者に共感し、理解したと思い込む それこそが「傲慢」だ
【???】 君と私が違う存在であるように 全ての生命は究極的には 理解し合うことなど不可能
【???】 故に、「個」としてそれぞれが 自律しなければならないのに、 人々はその道を選ばなかった
【???】 その結果は火を見るよりも明らかだ 他者への嫉妬に狂い、争いを起こし、 自滅し、破綻する
【???】 フェイルノート、私はね この世界を愛している
【???】 長い間、観察し続けてきた この世界を深く愛しているんだ だからこそ…
【???】 破滅に向かう失敗を見過ごすことは できなかった… 本来、観察だけが領分だったのに…
【???】 私は断腸の思いで 世界に干渉することにしたのだ 全ては世界の破綻を防ぐため
【???】 その尖兵として斬ル姫を 手に入れる予定だったのに ティルフィングが邪魔をしたっ…
【???】 あげく、彼女はとんでもないことを しでかしたんだ 君も知っているよね?
【フェイルノート】 ユグドラシルを斬ったのでしょう? お前からの干渉を断ち切るために
【???】 そうだよ… そのせいで…世界線が変わって しまったんだ…
【フェイルノート】 世界線…? 何を言っているのかしら?
【???】 ああ、君には 観測できない事象だったね
【???】 ここはね、フェイルノート 本来なら存在しないはずの 世界なんだ
【???】 ティルフィングがユグドラシルを 切断してしまったせいで生じた イレギュラーな世界線…
【???】 理想郷“千年王国”へと至る道が “失われた”世界なんだよ
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