10262201 カラドボルグ 素敵なイースターエッグ
春─
街には、もうすぐ訪れる 『イースター』を祝う 卵やうさぎの飾り物が並んでいる
マスターの隊では、 カラドボルグとクラウ・ソラスが
パーティーの準備を 担当することになっていた
【カラドボルグ】 うん、いいわね♪好きだわ この形、とっても可愛いわ
卵を手に取り、微笑むカラドボルグ
【カラドボルグ】 せっかくのイースターなんですもの 『イースターエッグ』がないとね
【カラドボルグ】 私、みんなを驚かせるような 最高に可愛いエッグを作ってみせるわ
と、張り切るカラドボルグ 卵に色を塗り始める
【カラドボルグ】 ふんふんふ~ん♪
機嫌よく進める彼女
だが、やがて…
【カラドボルグ】 ………
無口になり…
【カラドボルグ】 う~ん、ダメ、可愛くないわ
しまいには、 とうとうその手が 止まってしまった
なにがダメなの?可愛いと思うよ マスターがそう言うも…
【カラドボルグ】 ダメよ、 ただ色を塗るだけじゃ つまらないわ
【カラドボルグ】 かと言って、 模様を描いてみても、 なんだかしっくり来ないし…
【カラドボルグ】 せっかくやるんだもの 最ッ高に可愛いものに したいじゃない?
【カラドボルグ】 他にはない…私たちならではの イースターエッグを作りたいの
僕達ならではの イースターエッグかぁ… 難しそうだね
と、マスターが応える
【カラドボルグ】 でも、まだ時間はあるし、 やってみるわ!
試行錯誤を繰り返すカラドボルグ
【カラドボルグ】 う~ん…ダメね もっと可愛くならないかしら…
いつも大らかで 何事にも開放的な彼女が、 悩んでいる
見かねたマスターは、 気分転換に彼女を街へと誘い出した
【カラドボルグ】 ………ふぅ
どうしたの?悩むなんて、 君らしくないんじゃない? そう尋ねるマスター
【カラドボルグ】 そうね…
すると、彼女から 少し意外な回答が返ってきた
【カラドボルグ】 会場の準備をしている クラウ・ソラスに 負けたくなくって
【カラドボルグ】 真面目な彼女だもの きっと完璧に仕上げてくるに 違いないわ
そんなこと言うなんて珍しいね?
マスターの言葉に対し、 彼女が己の心のうちを話し始める
【カラドボルグ】 私のキラーズである 魔剣カラドボルグは…
【カラドボルグ】 アルスター伝説の英雄が所有する クラウ・ソラスの剣と 同一のものと言われているわ
【カラドボルグ】 だからやっぱり クラウ・ソラスのことは 意識しちゃう
【カラドボルグ】 でも強さ、可愛らしさでは ハッキリ言って 負けてるとは思ってない
【カラドボルグ】 むしろ勝ってるわ!
堂々と言い切る彼女
【カラドボルグ】 でも、一つだけ 負けてるものがあるとしたら…
【カラドボルグ】 それは『集中力』
【カラドボルグ】 私は、 あの子みたいに一つのことに集中し、 一生懸命やり続けることは出来ない…
【カラドボルグ】 現にイースターエッグ作りも、 停滞しているし…
【カラドボルグ】 他の姫の話では、 クラウ・ソラスの準備の方は 順調だって聞くわ…
【カラドボルグ】 私にも…あの子みたいな、 燃え上がるような 集中力があればな…
【カラドボルグ】 そう思っちゃうのよ
クラウ・ソラスと自身を比べ、 珍しく落ち込む彼女だった
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