10272202 クラウ・ソラス 『クロノス・ノワール』
【クラウ・ソラス】 はぁ…はぁ…
次の日も会場設営の合間を使い、 彼女はエッグハントの特訓に 励んでいた
しかし…
【クラウ・ソラス】 ダメだ… 思うように石を 見つけ出すことが出来ない…
【クラウ・ソラス】 これじゃ… エッグハントをしても 他の姫に負けてしまう…!
【クラウ・ソラス】 もっと…もっとだ…!
【クラウ・ソラス】 もっと研ぎ澄ませ! マスターが言ってくれた… 『決してブレない、強い集中力』を!
【クラウ・ソラス】 ………ふぅぅぅぅ
深呼吸をしたかと思うと、 彼女は剣の束に手を掛け、 重心を低く落とした
【クラウ・ソラス】 私が最も集中力を使うのは 剣を振る時…
【クラウ・ソラス】 そこにこの特訓を制する ヒントがあるかも知れない……
目を閉じ、静かに剣を抜く彼女
そして…
【クラウ・ソラス】 ………!
彼女の目がカッ!と見開いた
一閃!
高速で剣を振り抜く
【クラウ・ソラス】 !! い、今のは…!?
なにかを感じ取り、 一気に駆け出す彼女
【クラウ・ソラス】 あ、あった!
彼女は見事に 全ての石を見つけ出すのだった
【クラウ・ソラス】 剣を振ろうとした瞬間、 周りが止まっているように 見えた
【クラウ・ソラス】 その間に、石を探すことが出来た… これが、集中の先にあるもの これは…
【クラウ・ソラス】 さらなる剣の境地かも知れない!
彼女は持ち前の集中力で、
新たなるスキル 『クロノス・ノワール』に 目覚めたのだった
【クラウ・ソラス】 …あ
と、そこに現れるマスター
【クラウ・ソラス】 み、見てたのか…?
今のすごかったね! …と、彼女を褒める
【クラウ・ソラス】 それは… マスターのおかげだ
【クラウ・ソラス】 『決してブレない、強い集中力』
【クラウ・ソラス】 マスターが教えてくれた長所を 伸ばそうと思ったからこそ、 次のステージに行けたんだ
【クラウ・ソラス】 ありがとう、マスター これでエッグハントでも 活躍できそうだよ
そう言って、 飛びっきりの笑顔を見せる彼女
…しかし
…え? エッグハント…? 訝しげにマスターが聞き返してくる
【クラウ・ソラス】 ん?…なんだ?
まさか、今の特訓って… 剣技じゃなく エッグハントのための…?
【クラウ・ソラス】 そうだが… なんだ、その顔は?
そう言いつつ、 マスターを勘違いさせていたことを 思い出す
【クラウ・ソラス】 …あ、その、マスター 実は、これは剣の修行ではなく… エッグハントの練習だったんだ
その言葉を聞いて、 マスターは気にしなくていいと 言いつつ、
気まずそうに、 パーティーの予定表を 見せた
【クラウ・ソラス】 ……あれ? エッグハントの項目が無いようだが… まさか……
【クラウ・ソラス】 …やらないのか!? エッグハント!
【クラウ・ソラス】 な、なんてことだ!
【クラウ・ソラス】 イースターでは エッグハントはつきものと、 勝手に思い込んでいた…
【クラウ・ソラス】 ああ…集中しすぎて、 空回りするのは… 私の悪い癖だぁ…!
【クラウ・ソラス】 今からエッグハントの 準備をするか? い、いや…さすがに間に合わない、か
そう言って、 地面に倒れこむクラウ・ソラス
生真面目が故の失敗に、 落ち込む彼女
【クラウ・ソラス】 あぁぁ…せっかくの特訓がぁ~!
そういうところも、 きみの魅力なんじゃない?
【クラウ・ソラス】 …!
【クラウ・ソラス】 そ…! そんな風に言われても… 嬉しくないッ!!
ぷいっと顔をそむけつつも、 マスターの言葉にちょっぴり 嬉しそうなクラウ・ソラスだった
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