10331201 ヒイラギ 弱々しい眼差し
【クロエ】 さあ、来なさい… いざ、尋常に!
戦場にて、 大量の異族を 斬り倒したクロエ
その戦いぶりを マスターが称賛するも…
【クロエ】 ここに来る前は、 騎士団の近衛部隊隊長を していましたから
【クロエ】 これくらいは当然です
実にしっかり者で、 頼りになる存在だ
そんな彼女を連れ、 マスターはある日、 街に買い物へ出掛けた
【クロエ】 いいですね、活気があって
【クロエ】 ハッキリと記憶が残っている わけではありませんが… 不思議と懐かしい気がします
【クロエ】 私の故郷もきっと… こんな風だったんでしょうね
想いを馳せる彼女に、 マスターが声を掛ける
【クロエ】 え?あの武器屋に…?
【クロエ】 いえ、新調の必要はありません
【クロエ】 武器の手入れは… 騎士の心を磨くに等しい行為
【クロエ】 常日頃より怠ってはいませんから
キッパリと断る彼女に、 マスターが問い掛ける
クロエはしっかり者だね でも…
やっぱり寂しい?
【クロエ】 …!
【クロエ】 …え?
なんだかそんな気がしてね
【クロエ】 ………
【クロエ】 …気づいていたんですね
それは、 彼女が初めて見せた 弱々しい眼差しだった
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