10391203 セツナ 『清澄たる蒼眼』
【セツナ】 どうしたらいいのかな…
恥ずかしそうにセツナは マスターに相談する 内容は姫達との付き合いかたについて
他人と深く関わらないため 同じ相手と二度以上はなるべく 会わないようにしていたというセツナ
【セツナ】 …親しくなるということは また傷つけてしまうかもしれない そういう可能性を持ってしまう
今のセツナが言う傷つけるというのは 物理ではなく精神面のことだろう マスターは一計を案じることにした
【セツナ】 小隊での行動は あまり経験がないの…
セツナを姫達とともに行動させる 荒療治だが、これが一番だと思った
ぎこちなさはあるが 戦闘となれば別だろう セツナはもう仲間とともに戦える
【セツナ】 くっ、うおおおおおっ!
異族との戦闘 連携がうまくいっているとは言い難い だが、負けはしないと思っていた矢先
【セツナ】 みんな、気を引き締めて 敵の増援が来てる…っ!
【セツナ】 このままじゃだめ… どうにかしないと!
仲間に気を取られて上手く 動けていないセツナは 次第に集中を欠いていく…
【セツナ】 ああっ! 危ないッ!
どうしたらいいか そのことに気を奪われていたセツナの 目の前で姫が敵に狙われる
彼女はなり振り構わず 剣を振るっていた
【セツナ】 大丈夫? …無事ね、よかった でも、今の力は一体…?
咄嗟の行動 火事場の馬鹿力なのだろうか …いや、違う
【セツナ】 …そう そういうことなのね
【セツナ】 …斬り伏せるッ! うおおおおおおおおおッ!
セツナは突如として敵陣に ひとり突っ込んでいく
マスターは当然制止する だが、セツナは聞こうともしない
【セツナ】 これが私の戦いかた! 守るものがある戦いこそ 私の戦い…ッ!
セツナの活躍によって 戦闘は終了した
だが、その戦いかたは マスターとして とても看過できるものではなかった
あれではひとりで戦っているのと 何も変わらない…
【セツナ】 …守るものがあるから私は戦えたの
【セツナ】 私、慣れてないから みんなに背を向けてしまうかも… けど、戦いの中でなら?
【セツナ】 それは違う意味になると…私は思う 君達なら背中を預けられる それが私の精一杯の、信頼の証
それこそが新スキル 『清澄たる蒼眼』
普段寡黙なセツナの告白 彼女の仲間への想い それを尊重したいと…思った
そんな考えを悟ってか 姫達はマスターを連れ帰路につく
【セツナ】 …………
マスター達を眺めセツナは思う かつて自分がいた世界のこと そこで自分が捨ててきてしまったもの
【セツナ】 ここに辿り着かなかったなら 私はどうしていたのだろう…
遠くからマスターの呼ぶ声が聞こえる
【セツナ】 もしも、を考えるのはやめよう …今の私は、今の私
セツナは歩き出す
【セツナ】 もう、絶対に奪わせはしない もう、私は間違えない だから…大丈夫
セツナの選んだ新しい道 その先には 共に歩んでくれる仲間達がいる
【セツナ】 心配しないで、あの頃の私 これからの私はきっと大丈夫 ちゃんと、守れるから
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