10391211 セツナ 怒りの矛先
その日、マスターは任務を終え、 同行していたキル姫達と 帰路に着こうとしていた
しかし…
【セツナ】 …………誰?
森の奥から突如として、 漆黒の剣士が現れた
き、きみは…? ただならぬ雰囲気に 声をかけるマスター
【セツナ】 …私?私はセツナ それで、こんなところに 何しにきたの?
セツナの問いに、マスターは 自分達はキル姫とマスターで 任務の帰りだったことを伝える
【セツナ】 マスター…キル姫… そう、つまり貴様達も…
君はキル姫なの? 君のマスターはいったい…?
マスターが問いかけると セツナの雰囲気が変化する
【セツナ】 マスター…? 私にそんなものはいない 私にそんなものは必要ない!
【セツナ】 貴様も同じか! 他者を使役し、使いつぶすことを 当然と考える愚か者か!!
セツナは突然、 マスターに斬りかかる
姫達はマスターを守ろうと セツナの前に立ちふさがる
そんな姫達をセツナは冷たい目で見つめる
【セツナ】 …そう。守ろうとするのね 命令だから、ただそれだけで
【セツナ】 いいわ。それもすべて この手で終わらせてあげる!
激しい怒りと共に 向かって来るセツナ
その厳しい攻撃をなんとかしのぎ、 キル姫達はセツナを拘束する
【セツナ】 うぐ…っ!
いったい君は何を抱えているの? 戦うセツナから悲痛な思いを 感じたマスターはそう問いかける
【セツナ】 …どうして、そんなことを聞くの
【セツナ】 私は負けた とどめを刺せばいい
【セツナ】 悠長に事情を聞くなんて 甘いことをしている余裕が あるの…?
余裕がどうこうなんて関係ない ただ君から話を聞きたいんだ と、率直に言うマスター
【セツナ】 …なぜ 貴様には関係のないことなのに
関係ならあるよ 訳も分からず襲われたんだし
【セツナ】 …………
ともかく、君の手当てをしよう と誘うマスター
【セツナ】 己を襲った者を 自ら手当てしようだなんて… どこまでも甘いのね
【セツナ】 そんなの、まるで――
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