110160140 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第16章 ネオ・ユートピア 第１話 キラーズとバイブス-4
【ラグナロク】
アルマス
あなたの節操のない共感は罪深い
【ラグナロク】
エルキュールの絶望と言うのなら、
きっとあのときのことね
【ティルフィング】
彼女に何があったのですか、
アルマスっ？
【アルマス】
私が見たのは、地上で戦い続ける
斬ル姫達の姿だった…
【アルマス】
多分、何人もマスターがいて…
そのマスター同士が争っていたの
【ティルフィング】
マスター同士が…？
何故、そんなことに…
【アルマス】
私にもさっぱりよ
ただ、そんな世界でもエルキュールは
みんなの希望になろうとしてた
【アルマス】
ただ、上手くいかないことがあって…
【ラグナロク】
彼女は元から少し危ういところが
あったわ
【ラグナロク】
才能に恵まれていて、
大抵のことは成し遂げられたから
稀に失敗すると
【ラグナロク】
手がつけられなくなるくらい
落ち込むところがあったのよ
【ラグナロク】
ミネルヴァ達が上手く
立ち直らせていたようだけれど…
【アルマス】
でも、あのときはあなたが現れた
あなたがエルキュールを
コマンドキラーズにしたんでしょっ
【ラグナロク】
そうね
それが最善だったから
【アルマス】
その後、虐殺が行われたわ…！
【ティルフィング】
えっ…？
なんてことをっ…
【ラグナロク】
バイブスを世界から消し去るためには
必要な措置だった
【レーヴァテイン】
世界の救済には犠牲がつきもの…
とでも言いたいの？
【ラグナロク】
そんな陳腐な言葉では語れない
あの頃、地上には万を超える
バイブス所持者がいた
【ラグナロク】
理想を同じくする者達がギルドを
形成してもいたわ
【ラグナロク】
それぞれが斬ル姫を伴い、
戦い続けていた
いつ果てることなく、ね
【ティターニア】 待ってください！ 天上世界が神々の支配から脱したと しても…
【ティターニア】 地上には悪魔の軍勢がいたはずです マスター同士で争う暇などなかった はずですよっ
【ラグナロク】
愚かね
天上世界はキル姫の育成と強化を
行うための場所よ
【ラグナロク】
言ったでしょう
万を超えるバイブス所持者がいたと
【ラグナロク】
その大半が、それぞれキル姫を強化
して地上に降りたのよ
たとえ淘汰が完了していなくても
【ラグナロク】
悪魔を一蹴するのは難しくなかった
人間達の圧勝だったわ
【ティターニア】 …………
【ラグナロク】
外敵の脅威が去った後、
次に何が起きるのか…
遥か昔から大して変わらない
【ラグナロク】
人類は…バイブス所持者は…
あまりに優秀な“兵器”を
手に入れてしまった
【アルマス】
それが…マスター同士の…
斬ル姫同士の…争い…！
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