110160330 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第16章 ネオ・ユートピア 第３話 世界の黄昏-3
【アスカロン】
はぁっ！
せいっ！
【パラシュ】
鍛錬に精が出るね、アスカロン
良いことだよ
【アスカロン】
ありがとうございます！
私、強くなりたいんです！
【パラシュ】
理想へ邁進する姿は美しいな
【アフロディーテ】
美しい！？
今、美しいという言葉が聞こえました
それは私のための言葉ですよっ
【アフロディーテ】
ああっ
アスカロンのひたむきな姿…
美しいですねぇ
【アスカロン】
私は純粋に強くなりたいだけです！
美しさに興味はありません
【アフロディーテ】
良いのです
私があなたを愛でる
狂おしいほどの愛を感じる
【アフロディーテ】
そこにあなたの感情など
関わりのないことですからっ
【パラシュ】
他者の目など気にして己の理想を
見失うのは愚の骨頂だね
【パラシュ】
皇帝のことも、もうどうでもいいと
思えるようになったよ
彼女の理想とボクの理想は違う
【パラシュ】
道を違えた者同士、
二度と会うことはないだろう
【アフロディーテ】
そういえば、先程までティルヘルムを
滅ぼすなどと美しくないことを
貴族達が話していましたけれど
【アフロディーテ】
取りやめにしたそうです
逃げ出した奴隷達も
勝手にすればいいと
【パラシュ】
当然だね
彼らの人生にボク達が口出しする
意味などないよ
【妖精】 …………
【シャルウル】
エドゥーの閉鎖が決まりました
【アルテミス】
唐突ですね
何かあったのですか？
【シャルウル】
いえ、何も
単に無駄だと気づいたのでしょう
十三議会で議決されました
【アルテミス】
他者の言動を管理するなんて、
確かに無駄ですね
【アルテミス】
どうして、あんな教育施設が
今までトレイセーマに存在して
いたのでしょう？
【シャルウル】
私に問われても…
ああ、それから
【シャルウル】
十三議会も解散するそうですよ
無理に協調して個性を殺すことに
なっては元も子もないからと
【アルテミス】
では、トレイセーマは…
【シャルウル】
早晩、十二氏族の国へと
分裂致します
【アルテミス】
なるほど
今までが異常だったのだから、
それも必然ですね
【アルテミス】
私は全てが規律正しく行われるよう
見張るだけです
【シャルウル】
はい
それで良いでしょう
【アルテミス】
ところで、ムラマサはどこに？
【シャルウル】
私は見ていませんよ
彼女に用事でも？
【アルテミス】
…いえ、大したことでは
ないのですけれど
【妖精】 …………
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