110160340 ロストラグナロク編(失われた千年王国編) 第16章 ネオ・ユートピア 第３話 世界の黄昏-4
【ムラマサ】
すっかり静かになりました
少し前まで、最前線であったのに…
【ムラマサ】
姉様は今もティルヘルムに
いるのでしょうか
【ムラマサ】
…………
【ムラマサ】
おかしい…
やはり、私はどうかしています…
こんなに…こんなにっ…
【ムラマサ】
こんなに姉様のことを考えてしまう
だなんて…！
【ムラマサ】
姉様がどのように生きようと、
私には関係のないこと
そのように一時は割り切れたのに…
【ムラマサ】
胸の奥が、疼くのですっ
この刀を手にするたび…
姉様のことを思い出してしまうっ
【ムラマサ】
私は…壊れてしまったのですか…？
【ダグダ】
あれぇ？
そこにいるのってムラマサ？
何でこんなとこにいるのぉ？
【ムラマサ】
ダグダっ…
そなたこそ何故、このような場所に
いるのです？
【ムラマサ】
勝手な外出は禁じられていますよ！
【ダグダ】
アルテミスみたいなこと言わないでよ
ダグダは、他人と一緒にいない方が
良いから
【ムラマサ】
それで人気の無くなった
こちらに？
【ダグダ】
うんっ
でも、それもどうでもいい気がして
きたんだぁ
【ダグダ】
別にダグダが他人に気を遣うこと
なんてないよねぇ
この力はダグダのせいじゃないしぃ
【ダグダ】
だから、そろそろ帰ろうかなぁって
思ってたところぉ
【ムラマサ】
そうですか
では、拙者も帰還しましょう
【ダグダ】
あ、こっちからの方が近道だよぉ
【ムラマサ】
あまりに強大な力を制御できず、
トレイセーマの人々を傷つけて
しまったダグダ…
【ムラマサ】
そのことをずっと気に病んでいた
彼女ですら、他者に関心を失って
いるというのに、私は…
【タスラム】
うおっ！
いきなり何すんだよっ
【ムラマサ】
ごめんなさい…
そなたは、タスラム
このようなところで何を？
【タスラム】
うるさいなぁ…
あたしはここでサボるのに
忙しいんだ
【タスラム】
さっさと、どっかいけ！
【ムラマサ】
もしや…
そなたの近くにいると不幸になって
しまうという迷信を気にして…
【タスラム】
あー…
そんなこと考えてたときもあった
かもなー…
【タスラム】
でも、今は本気でサボるために
ここにいるんだ！
そこんとこ、勘違いすんなよっ
【ムラマサ】
う、うむっ…
【ムラマサ】
他者を不幸にするかもと怯えていた
タスラムすら他者を気にしていない…
それなのに、私は…
【妖精】 …………
【ムラマサ】
むっ！？
曲者！
【妖精】 ひゃああああっ…！
【ムラマサ】
逃がしたか…
あの後ろ姿は妖精？
【ムラマサ】
間者など放って
ティルヘルムの王は
何をしているのでしょう？
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