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【オルト】 …………
【デュリン】 あ、あの… これは、どういう…?
【オルト】 …審判を行う前の聴取だ
【オルト】 入域目的に不審な点のある者は… ゲートキーパーの権限において、 先んじて聴取を行うことが出来る
【オルト】 その子の… 人民区入域の名目はなんだ?
【デュリン】 え?あ、はい…王都におられる、 フレンネル大公へ 引き合わせるためです
【オルト】 …それは、 お前たちの側の目的に過ぎん …フレンネル大公の招きはあるのか?
【デュリン】 …う…い、いえ
【オルト】 …………
【オルト】 そこのお前… 医者がどうのと言っていたな?
【ティルフィング】 は、はい…! 一刻も早く、お医者さんを 向かわせなければ、学者さまが…
【オルト】 “クレナイに住む人々”が…だな?
【ティルフィング】 え…?
【オルト】 …耕民区には医者の助けを 必要としている人々が数多くいる
【オルト】 そうした人々の生の声を届けるため、 その子が代表として選ばれた… そういうことだな?
【デュリン】 …っ!は、はい!そうです! 王都に耕民区の現状を知らせる… それがこの子の、入域の名目です!
【オルト】 …なるほど…それならば、 入域を許可するだけの名目となりえる
【ティルフィング】 …オルトさん!
【オルト】 …まだだ
【オルト】 その子が入域許可証を 借り受けた人物を 明示してもらわねばならん
【ティルフィング】 あ…ですから、 “学者さま”から…
【オルト】 それは俗称だ… 正式な名を明示出来ねば、 許可は出来ん
【オルト】 まさか… 入域許可証を借り受けたほどの 人物の名を知らんわけはあるまい?
【ティルフィング】 …!? な、なんでしたっけ?
【デュリン】 なんか、やたら長ったらしい 名前だったような…
【オルト】 名も知らん人間の許可証を 借り受けたというのか? これでは…
【トト】 エクスジェラルド・ヴァン・ ルステンシュタイン3世!!
【オルト】 …っ!
【トト】 爺ちゃんの名前でしょ?
【トト】 “エクスジェラルド・ヴァン・ ルステンシュタイン3世”だよ!!
【オルト】 フッ…その通りだ あの男は、 心を許した者にしか名を明かさん…
【オルト】 この入域許可証は… 間違いなく、 あの男から借り受けた物なのだな…
【ティルフィング】 トト!!
【オルト】 審判の間に来るがいい… 入域手続を取る
【オルト】 …耕民区に …医者を導いてやってくれ
【ティルフィング】 !! …は、はい!! 必ず…約束します!!
【小隊長】 そこまで!!
【小隊長】 …やれやれ、これは驚きましたな? まさかゲートキーパーが、 不正入域に加担するとは…
【オルト】 …っ!? じゅ、巡視兵団…小隊長!? なぜここに!?
【小隊長】 内部監査ですよ アナタに不正入域関与の疑いが かけられておりましてな…
【小隊長】 行動を監視させて頂いておりました… ゲートキーパー・オルトを拘束しろ!
【小隊長】 …貴様らのことは、 ラグナロク総本部と話をさせてもらう ラグナロク一行は即刻強制退去だ!!
【オルト】 …っ! なんということだ…クソッ!!
【ティルフィング】 ちょっと、やめてください! 離してください! …オルトさんっ!!!
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