1750502 天上編 第７章 崩れゆく虚像 第５話 崩れゆく美しき世界 自軍ユニット配置直後の会話
【トト】
ティルフィング…
本当に、大丈夫…！？
【ティルフィング】
え、ええ…
…ごめんなさい、続けてください
【リベリオン】 …同じ神という立場にありながら 神々の傲慢さに苦言を呈していた 平和の女神・エイレーネ…
【リベリオン】 彼女は行き過ぎる 神々を止める存在として、 人間の可能性に注目していたんだ
【デュリン】
…そこにエルライトの
慟哭が届いた…？
【リベリオン】 そうだ
【リベリオン】 その嘆きの声に衝き動かされ 彼女は手を差し伸べてしまう
【リベリオン】 ここで命を落とすべきではない… その“意志”で 人類の未来を切り拓くのだ、と
【トト】
…！
生き返らせたってこと…！？
【リベリオン】 ああ
【リベリオン】 …なぜエイレーネが、 エルライトにそこまで 肩入れしたのかは定かじゃない
【リベリオン】 だが、彼女は… 神の立場を棄て、 人間として生きる道を選んだ
【リベリオン】 王政府…そして神々の目を盗み、 エルライトと共に逃げ出したんだ
【レン】 女神が人間と逃避行…！？ なによ、それ…！？
【リベリオン】 だから言ってるだろ なんでその境地に至ったのかは、 定かじゃない
【リベリオン】 ともかく…
【リベリオン】 人間の可能性を信じたエイレーネは 神と人間という立場を越えて エルライトと結ばれる
【リベリオン】 やがて二人の間に、 彼女達の血を引く女の子が 誕生したんだ
【ディーン】
！？
神と人間のハーフってことか…！？
【リベリオン】 ああ
【リベリオン】 種族の垣根を越えて 生まれてしまった… いわば、禁断の存在だ
【リベリオン】 無論、彼女の存在が 神々に知れれば ただで済むはずがない
【リベリオン】 エイレーネとエルライトは 神々に気づかれぬよう 細心の注意を払いつつ
【リベリオン】 ありったけの愛情を注いで 娘を育てていったんだ
【レン】 でも、神々の目から 隠し通すことなんて…
【リベリオン】 もちろん、神々の動きを 熟知したエイレーネにも限界はある
【リベリオン】 娘が少女となる時分まで エルライトと共に 身を隠し続けたが…
【リベリオン】 ついにその存在を 神々に気づかれてしまったんだ
【エドガー】 まさか… 殺されてしまったのか！？
【リベリオン】 いや…
【リベリオン】 その動きを察知したエイレーネは 神々の手の及ばぬ場所へ 娘を避難させることにしたんだ
【リベリオン】 その場所とは、 神魔契約により 神々が立ち入れなくなった…
【デュリン】
異界…？
【リベリオン】 そうだ
【リベリオン】 エイレーネは少女となった娘に 自らの意思を託し 異界へと送り込んだんだ
【リベリオン】 だが…無論、 神々が黙っているはずがない
【リベリオン】 その怒りの矛先は エイレーネの道を迷わせた エルライトへと向けられた
【ディーン】
なんでだ…？
神々とすりゃあ、
当然エイレーネに…
【リベリオン】 エイレーネの存在は 人々の心の拠り所として
【リベリオン】 この大陸に調和を もたらしていたんだよ
【リベリオン】 争い合う人間の心を 鎮めるまでには至らなかったが…
【リベリオン】 エイレーネという存在がなければ 人類の争いは過熱し 絶滅に至っていたかもしれない
【レン】 エイレーネを消すわけにはいかず エルライトに…
【レン】 そんなの絶望的じゃない… 生身の人間が 神々相手に太刀打ちできるわけ…
【リベリオン】 エイレーネも同じ考えに至り 自身を棄てる覚悟を決めるんだ
【ティルフィング】
自身を棄てる…？
【リベリオン】 神々に許しを請うたんだよ… すべての責は自分にある この者には非はない…
【リベリオン】 この身を石と変え、 その思考のすべてを放棄する…と
【ティルフィング】
クッ…！？
【ディーン】
おい、ちょっと待てよ…？
女神エイレーネ
って言ったよな…？
【ディーン】
洗礼の時…大聖堂の近くで、
その石像を見たような…？
【リベリオン】 …そいつは石像じゃない 石化した、エイレーネ自身だ
【ディーン】
な…！？
ウソだろ…！？
【リベリオン】 エイレーネは… 石化していく中で、 エルライトに呼びかけたそうだ
【リベリオン】 いつの日か… あの子は必ず、この地へ戻ると
【リベリオン】 その日まで… あの子が道に迷わぬよう、 その意志の炎を紡いでほしいと
【ティルフィング】
グッ…！！
【トト】
ティルフィング…？
…ティルフィング！！！
【リベリオン】 脈々と流れる血が 呼び掛けているようだな…
【デュリン】
…？
どういう意味…？
【リベリオン】 異界に送り込まれた エイレーネの娘…
【リベリオン】 それはティルフィング、 お前なんだよ
【デュリン】
な…！？
【ティルフィング】
…グ…！
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