202210151 限定クエスト ハロウィンイベント 終末Hallowe’en ストーリークエスト 終末Hallowe’en 6 - 終末Hallowe’en-5 終末Hallowe’en-5 終末Hallowe’en-5
町全体が彼岸へと近づくことで 死者との邂逅を実現させていた時も そろそろ終わりが近づいている
本来あり得ないことを起こすには 大きな代償が伴うのが世の常
それはこのハロウィンも例に漏れず 長時間の力の行使は死者側にも 生者側にも多大なる影響をもたらす
【パラシュ】
制限時間はすぐそこだ
ギャラル、君は
笛を吹く支度をするんだ
【ギャラルホルン】
それじゃこの子のお母さんが…
【パラシュ】
ボク達がいても見つからないものは
見つからないことだってある
【ギャラルホルン】
パラシュが諦めを口にするなんて！
【パラシュ】
違う！
諦めないということの形は
ひとつじゃないと言っているんだ！
【パラシュ】
ハロウィンが終わってから
この子の母親を探して来年は
会いに来てもらえるよう言えばいい
【ギャラルホルン】
そんな、それじゃ一年も
この子とお母さんが会えないの！？
【パラシュ】
あちら側から漏れ出る影響を
抑えるのにももう限界があるんだ
我がままを言わないでくれギャラル
【ギャラルホルン】
我がままじゃないわ
ギャラルはやるべきことを
やろうとしてるだけだもん！
【ギャラルホルン】
だからこの子のお母さんが
見つかるまで笛は吹かない！
【パラシュ】
理想を追い求めることと
エゴを押し付けることは違う！
【男の子】 うわああああああん！
【ギャラルホルン】
！
【男の子】 お姉ちゃん達ぃごめんなさぁい！ ひぐ、ひぐ…ぼくのせいでぇ
【ギャラルホルン】
あぅ、えぇと…
【パラシュ】
…君のお母さんが見つからないのは
きっと何か事情があるからだ
【パラシュ】
今ここに君のお母さんが
いないことはお母さんが君を
愛していないという証明にはならない
【パラシュ】
だからほら、泣き止むんだ
【男の子】 でもぉ…ひっく、ぼくのせいで お母さんも見つからないし お姉ちゃん達もケンカしちゃうし…
【ギャラルホルン】
ケンカ…ごめんなさい
アナタの気持ちも考えないで…
【ギャラルホルン】
でもね、それでもギャラルは――
【？？？】 ここにいたんだね…
【男の子】 …おとう、さん？
【ギャラルホルン】
！
【パラシュ】
この子の父親…？
母親の話ばかりですっかり――っ！
【パラシュ】
…ギャラル、この父親
【ギャラルホルン】
うん…もしかして
【父親】 おふたりがこの子の面倒を 見てくださっていたんですね
【父親】 私もはじめてのことで不慣れで… それにあんなこともあったもので
【ギャラルホルン】
アナタ…死者なのね？
【父親】 はい それに…
【？？？】 よかった！ あなたは無事だったのね！
【男の子】 わぷっ！
【男の子】 お母さん！
【母親】 うん、うん、そうよ、私よ…っ！
【ギャラルホルン】
え、えっと…あ、よかった！
やっとお母さんに会えたわね！
ギャラルホルンがぎこちなく喜ぶ中 パラシュはあることに気付く
【パラシュ】
アナタは先日の事故の…
【母親】 …はい、夫に色々聞いて理解しました
【母親】 私は、この子と町へ来る途中 事故に遭って死んだのです
【男の子】 それじゃあ、ぼくはしんでない…？
【母親】 そうよ、あの事故でこうなったのは 私ひとりだった…ってことになるわ
【パラシュ】
たしかに記録としてもそうだね
母親はその場で死亡が確認
子供…君は病院に運ばれていたと
【ギャラルホルン】
怪我はなかったけれど
事故の衝撃で記憶が曖昧だったのね…
【男の子】 包帯、仮装じゃなかったんだ…
【パラシュ】
念のための処置が
包帯オバケの仮装に見えたとは
なんともおかしな話だよ
【父親】 私に会いに 来ようとしてくれたことがふたりを こんな目に遭わせることになるなんて
【母親】 …それは、起きてしまったことだもの
【パラシュ】
…おふたりはずっと一緒に？
【父親】 妻が私と同じ死者に なってしまったとわかったので こちらに来てから付き添っていました
【父親】 息子は別の場所に運ばれていて 探すこともままならなかったのです
【母親】 ひとりにしてごめんね
【男の子】 …………
【男の子】 それじゃ、 お母さんはぼくのこと 嫌いになってない…？
【ギャラルホルン】
大丈夫！
嫌いになんか…
【パラシュ】
ギャラル
黙って聞くんだ
【ギャラルホルン】
……
【母親】 もう、嫌いになる訳ないじゃない！
【母親】 あなたのことをずっと愛していたわ それはこれからだって同じよ
【母親】 ひとりにしてしまうけれど… 私達の分まであなたは生きて！
【男の子】 …………うぐ、ひっぐ、うわあああ！
【男の子】 おがあさあああああああん
【父親】 私が死んでからふたりには たくさん辛い思いをさせてしまったね
【父親】 それでも、私もずっと ふたりのことを思っていた
【男の子】 おどおさんもぉ…
【ギャラルホルン】
…パラシュ、
少し親子だけにしてあげよう？
【パラシュ】
そうだね
悲しみを抱えながらも 愛を伝えあう家族をふたりの キル姫は離れて見守るのだった
【男の子】 お姉ちゃん、ありがと
男の子は 死に別れた両親に改めて別れを告げ ギャラルホルンの前に来たのだった
【ギャラルホルン】
ううん、いいのよ
それよりももう大丈夫？
【男の子】 うん…かなしくておなかも痛いけど それでも、お母さんが生きてって
【男の子】 愛してるよって言ってくれたから
【男の子】 お母さんもお父さんも大好きだから ふたりを悲しませたくないから ぼく、がんばるよ
【ギャラルホルン】
…強いのね
【男の子】 そんなことないよ
【男の子】 …お姉ちゃんが 笛を吹かないでいてくれたから お母さんに会えた
【男の子】 でも、もう時間だから
【パラシュ】
…強くあろうとしている
それは立派な志だ
【ギャラルホルン】
…そうね
なら、ギャラルもギャラルの
役目を果たさないと
――終末の笛の音が鳴り響く いつもより少しだけ長かった ハロウィンの終わりを知らせる為に
【男の子】 …………
男の子は先ほどまで 両親がいた場所を見つめている
その瞳に浮かぶ涙を零れさせまいと 必死に堪えながら、見つめている
【ギャラルホルン】
ギャラルは、
あんな風に愛してもらっていたのかな
【ギャラルホルン】
…ぬひひ、あり得ないわよね
【パラシュ】
どんなことがあっても
『まま』が君を嫌いになる
なんてことはない
【ギャラルホルン】
…ギャラルは心のどこかで
その可能性にすがり続けていたのね
【パラシュ】
返ってこない答えを
過去に求め続けて未来から
目を逸らしていたのかもしれないね
【パラシュ】
…でも、ギャラル
【ギャラルホルン】
なぁにパラシュ
【パラシュ】
君は『まま』に愛されていた…
自分で出した答えを信じて
あげてもいいんじゃないか？
【ギャラルホルン】
…いいのかな
【ギャラルホルン】
ギャラルは愛されていたって
そう思って、いいのかな
【パラシュ】
その理想を追い求めるのは難しい
…けど、いいんじゃないかい？
【パラシュ】
それに…君には君のことを
愛してくれていた存在が
たしかにいたはずだろう？
【ギャラルホルン】
…………！
【ギャラルホルン】
…ありがとう、パラシュ
ギャラルホルンはかつて 永い時を共に過ごした懐かしい顔を 思い浮かべ笑顔を見せるのだった
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