202212120 限定クエスト 雪下の騎士流離譚 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト 雪下の騎士流離譚 ストーリークエスト前編 3 - 雪下の騎士流離譚-2 雪下の騎士流離譚 前編-2 雪下の騎士流離譚 前編-2
【シタ】
あの森は慣れた者でも
雪が降ってたり夜になったりすると
迷って抜けられないことがあるんです
【シタ】
わたしはここに住んで長いですし
よく通るので問題ないのですが
ほんっとうに危ないところなんですよ
【シタ】
偶然、わたしが、
あなたが付けた目印を
見つけたからよかったものの
【シタ】
あのままだったら
死んでても
おかしくなかったんですからね！
【アロンダイト】
は、はい…ごめんなさい
アロンダイトは目覚めてから しばらくシタのお説教を受けていた
【アロンダイト】
なんでしょう…
優しい口調なのに気圧される…
【シタ】
それにしても…
あんなところで
何をしていたんですか？
【シタ】
ちゃんと支度はしていたようですし
山を越えるつもりだったんですか？
【アロンダイト】
それは…
簡潔に行ってしまえば
そういうことになりますね
【シタ】
じ～…
【アロンダイト】
あ、あの、はい…
理由もお話しします
【アロンダイト】
――以上です
【アロンダイト】
エクスカリバー風に言えば
私は私の聖杯を見つける
道中だったということになりますね
【シタ】
そうですか…
暴走の…
アロンダイトはシタに対し エクスカリバーに伝えたことを 同じように話したのだった
【アロンダイト】
一ヶ所に留まっていると
どうしても暴走の可能性が
高くなってきてしまうのです
【アロンダイト】
これまでも各地を転々として
事なきを得てきていましたので
今回も同じように、と
【アロンダイト】
山を越えるほどの距離があれば
と思っていたのですが、こうして
迷惑をかける結果になってしまって…
【シタ】
アロンダイトさんは優しいんですね
【アロンダイト】
え？
【アロンダイト】
あ、すみません
ちょっと、意外だったもので…
【アロンダイト】
暴走してしまうかもという
可能性を持つ私はそんな評価を
受けるような存在ではありませんよ
【シタ】
でも、その可能性に気付いて
そばにいる誰かを守ろうと
行動しているということですよね
【シタ】
それに、暴走というのは
キル姫であれば多かれ少なかれ
可能性は持っている訳ですし
【アロンダイト】
そう言われてしまうと
返す言葉もないのですが…
【シタ】
それと自分だけの聖杯を探す旅
なんて、とても素敵な響きですよね！
【アロンダイト】
それはたぶんそういう意味じゃ…
【シタ】
わたしはそう思ったんですっ！
ふふ、その意味を知ることも含めて
聖杯探索の旅なのかもしれませんね！
【アロンダイト】
は、はぁ…そうですね？
【アロンダイト】
話が思った方向に行かない…
【シタ】
うーん、聖杯探索…
新しい場所、仕事…あ、そうだ！
【シタ】
アロンダイトさんは
新しいお仕事も探しているんですよね
【アロンダイト】
ええ、まぁ…移り住むのであれば
その土地で仕事も探そうかと
【シタ】
ですよね！それなら
わたしのお手伝いを、お仕事として
請け負っていただけませんか？
【アロンダイト】
…いや、それは――
【シタ】
山を越えた先で新しい住居と
新しい仕事を探して過ごす
そのつもりだったなら…
【シタ】
この、山の麓の村々を巡るお仕事は
条件としてもなかなか近しいかと！
【アロンダイト】
命を救っていただいた
恩はありますがこれ以上ご迷惑は――
【シタ】
雪山に慣れることになりますから
また前兆を感じたらその時にパっと
山越えしちゃえばいいんですよっ
【アロンダイト】
…そう、ですね？
【シタ】
よかった！
それじゃあよろしくお願いしますね
【アロンダイト】
はい…お願いします
急な展開に困惑するアロンダイト 対照的にシタはとても楽しそうだ
【シタ】
お仕事の内容は――
【シタ】
あ、そろそろミトゥムちゃん…
ええと、妹が来ますので一緒に
行動して覚えてくださいね！
【アロンダイト】
…わかりました
【？？？】 姉ちゃんそろそろ行こうぜー
【シタ】
噂をすれば、ですね
【ミトゥム】
お、目ぇ覚めたんだな！
ミトゥムだ、よろしくな
【アロンダイト】
アロンダイトです
ご迷惑をおかけしてしまって…
【ミトゥム】
迷惑だぁ？
んなもんこれっぽっちもねーよ
姉ちゃんに礼を言ったならよし、だ
【アロンダイト】
礼…あっ
【ミトゥム】
なんだぁ！？
助けてもらっといてそれはねぇだろ！
【アロンダイト】
す、すみません
話をしていたら言うタイミングが…
【アロンダイト】
シタ、遅くなってしまいましたが
この度は命を救っていただき
ありがとうございました
【アロンダイト】
この恩義に報いるには…あっ
【シタ】
ふふふ、いえいえ
【シタ】
改めて、
これからよろしくお願いしますね
アロンダイトさん
【アロンダイト】
…はい、こちらこそ
よろしくお願いいたします、シタ
【ミトゥム】
うんうん、礼は大事だな
…って、何をよろしくなんだ？
【シタ】
ミトゥムちゃん、礼の話をするなら
お食事の時は必ずいただきます
って言うんですよ
【ミトゥム】
腹減ってるときは仕方ないじゃん
…じゃなくて！
【ミトゥム】
よろしくってなんの話だ！？
【シタ】
あ、そうそうアロンダイトさんに
これからわたし達の仕事を
手伝ってもらおうかと思って！
【ミトゥム】
何だって…？
【アロンダイト】
め、迷惑でしたか…？
【ミトゥム】
何言ってんだお前！
【ミトゥム】
大助かりだよ！！！
【アロンダイト】
す、すみませ…あれ？
いいんですか？
【ミトゥム】
もちろんだ！
いつも姉ちゃんとふたりだけで
大忙しだったんだよ！
【アロンダイト】
それはよかったです…
【シタ】
うふふっ
シタ、ミトゥム姉妹のノリに 圧倒され続けるアロンダイトだった
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