202304033 初心者クエスト 不可欠彩度レルム 不可欠彩度レルム 第3部 不可欠彩度レルム 第3部 4 - 不可欠彩度レルム-3 不可欠彩度レルム 第3部-3 不可欠彩度レルム 第3部-3 戦闘後
マクリルと並び立ち 魔獣を仕留めていくフライシュッツ
【マクリル】 すごい、でも…
覚悟を決めたフライシュッツだが マクリルはまだ彼女から 『裏側』の気配を感じていた…
その時、恐れていた事態が起きる
【フライシュッツ】 やぁっ!
【フライシュッツ】 …あっ!
また、視界の範囲がゆっくりと… スローモーションに感じる フライシュッツ
その視線は、魔獣ではなく あらぬ方向へ放たれた魔弾
その先には…
【フライシュッツ】 グリダヴォルちゃん!!!
「ああ、やっぱり」 弾がそのまま進めば離れた場所で 戦うグリダヴォルの胸を貫く
【フライシュッツ】 あたしのせいで あたしがこんなだから
覚悟を決めたはずなのに『揺らぐ』 こんな自分でなかったらいいのに と願い続けた日々が後悔を駆り立てる
【フライシュッツ】 え…?
【グリダヴォル】 結果オーライ!
フライシュッツの魔弾を 難なく杖で弾き、さらには跳弾で 魔獣を倒したグリダヴォルは笑う
【フライシュッツ】 今、あたしの魔弾を弾いて…
【グリダヴォル】 フライシュッツが戦えるなら 私もとっても頼もしいよ!
【グリダヴォル】 こっちに来た弾は 全部弾いちゃうから気にせず バンバン撃っちゃって!
【グリダヴォル】 だよね、パンドラ!
【パンドラ】 ええ、なんとかするわ
【フライシュッツ】 そっか、そうだった…
頼もしい友人ふたりの言葉で フライシュッツは自身に刻まれた キラーズの伝承を思い出す
【フライシュッツ】 賢者の冠で、魔弾は弾かれる…
正しくは、その先にさらなる悲劇が 待っているのがその伝承なのだが…
【フライシュッツ】 それでも! 呪いは弾き飛ばしちゃえばいいんだ!
【マクリル】 伝承再解釈… フライシュッツ!
【フライシュッツ】 ありがとうマクリルちゃん それにパンドラちゃんと グリダヴォルちゃんも!
【フライシュッツ】 たとえ呪いの弾丸だとしても… それを弾き飛ばしてくれる仲間が おねーちゃんにはいるんだから!
それは甘えかもしれない だが、甘えているだけで 何もできない自分でいるのではなく…
甘えて頼って、でも頼ってくれる そばにいてくれる仲間とともに 並び立てる自分でありたいと願う
【フライシュッツ】 だって、仲間なんだもん! スイハちゃん達とも、本当は ずっとこうだったはずなのに…
【フライシュッツ】 ううん、きっとみんな わかってくれてたんだよね
【フライシュッツ】 わかっていなかったのはあたし
【フライシュッツ】 でも、わかったからには みんなと寄り添っていられる おねーちゃんになっちゃうんだから!
【フライシュッツ】 外さないんだから!
【フライシュッツ】 …外れたとしても!
【マクリル】 なんとか、する…っ!
【パンドラ】 私の言葉が… まぁ、そういうこともあるわね
【フライシュッツ】 みんな、いくよ!
フライシュッツの魔弾を起点に 魔獣を倒していくキル姫達
時折逸れてしまう弾も お互いに連携し合って弾かれる
やがて、魔獣は現れなくなる…
【フライシュッツ】 おわったぁ~!
フライシュッツに守られていた 子供達も緊張が解け、やったーと喜ぶ
【フライシュッツ】 ほんとによかったよぉ~!
子供達以上に ホッとして大きな声のフライシュッツ
【フライシュッツ】 みんなありがとぉ~!
【マクリル】 わっ
【グリダヴォル】 おっとと
【パンドラ】 ふふっ
三人に抱き着くフライシュッツ それはまるで子供のように 甘えん坊なフライシュッツだった
【フライシュッツ】 おねーちゃんはおねーちゃんだけど もう変に遠慮しないでみんなに 甘えちゃうことにしたの!
【マクリル】 これも…伝承再解釈?
無理をして頼りになるお姉さんを 演じるのではなく困っている誰かの そばにいられるおねーちゃん
それを選択したフライシュッツは もう、『揺るがない』
【パンドラ】 もうこんな時間なのね
魔獣騒ぎが収まった カコルフェに夜が訪れる
シンボルのタワーを失っても 不夜城の名を落とさんとする人々の 思いが明かりを灯していく
【マクリル】 …あれ
そして、マクリルはあることに気付く
【マクリル】 『裏側』感じない…
多くの人々、キル姫達の胸に 希望の火が灯ったことで 『裏側』の気配が晴れたのだった
Next: 202304040