2027124 アハト 『耐魔』ジョイント
【アハト】 やっ! はあっ!
【アハト】 あ… あの人の気配だ…
隊のみんなと少し離れた場所で 鍛錬するアハトに、お弁当を持った マスターが近づき、声をかける
【アハト】 いつも、ありがとうございます 今日はどんなおかずですか?
そうして、今日もふたりだけの 楽しいランチタイムが始まった
【アハト】 今日は、私が話をしても いいでしょうか?
不意にアハトがそう言い出し、 マスターが頷くと、 アハトは静かに語り始めた
【アハト】 以前にもお話したように、 私には大切な恩人がいます
【アハト】 その人は、ひとりぼっちだった 私を救ってくれた…私にとって “太陽”のような人なのです
【アハト】 なにも信じられず、心を閉ざしていた 私に、いつも明るく話しかけてくれて 居場所も与えてくれました
【アハト】 …アナタは少しだけ、 あの人に似ているかもしれません
マスターは、アハトの大切な人に 似ているなんて光栄なことだ と、嬉しい気持ちを伝える
【アハト】 ふふっ、なんだか恥ずかしいです…
そこに別のキル姫が通りがかり、 マスターのお弁当に興味津々な様子で 近づいてきた
一口食べたいと言い出したキル姫に マスターがおかずをあげるのを見て、 アハトの表情が曇る
【アハト】 そんなところまで 似てなくてもいいのに…
キル姫がいなくなったあと、 アハトの機嫌を損ねたことに 気がついたマスターが慌てて謝るが…
【アハト】 …なんのことでしょうか? 私は鍛錬に戻りますので…
席を立つアハトを止めようとして マスターも立ち上がるが、 バランスを崩して転びそうになる
【アハト】 危ないっ!
マスターを衝撃から守ろうとした アハトの体が輝き、 新たな力が目覚める
【アハト】 もう… 危なっかしくて目が離せませんね
【アハト】 あの人は… アナタほど弱くなかったので、 こんな気持ちは知りませんでした
【アハト】 これからは… ワタシがアナタを守ります… この『『耐魔』ジョイント』で!
助けられたマスターは、 アハトの輝きに驚きながらお礼を言う
【アハト】 ワタシは生き残る“強さ”が必要だと 思っていましたが、アナタに会って 守るための“強さ”を知りました…
【アハト】 今は…今だけは、 アナタを守るために戦わせてください
そう言うと、アハトは照れたように 微笑んだ
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