20301213 リサナウト 悠久なる追懐の氷撃
…新聞部の活動だったの? 最初に言ってよ と女子生徒が愚痴をこぼす
本当にごめんね とマスターは女子生徒をなだめる
【リサナウト】 …わ、私が悪かったのよ 急に質問攻めにして ごめんなさい…
リサナウトからの謝罪も聞けて 女子生徒はふっと肩の力を抜いて 教室へと向かっていった
【リサナウト】 あれ? 黒い霧が消えてしまったわ
気づけば女子生徒に憑いていた 黒い霧はすっかり 消えてしまったようだ
正体はわからなかったけど ひとまず一件落着かな とマスターは一息つく
さて、次の問題は… とマスターはリサナウトと向き合う
【リサナウト】 …なに? ちょ、ちょっと急に手を引いて… どこに行くのっ?
いくら早起きだったとはいえ 朝の時間は無限ではない
急がないと授業に遅れちゃうよ! とマスターはリサナウトを連れて 小走りで教室へ向かうのだった…
遅刻することなく無事に授業を終え 昼休みを知らせる チャイムが鳴り響いた
あの黒い影はなんだったんだろう… とお弁当箱を広げながら マスターは考える
そこに……
【リサナウト】 …あ、当主様、見付けたわ 今朝はその、悪かったわねっ お詫びに300ポイント進呈するわ
そそくさと教室に入ってくると、 マスターの正面の席に腰かけ 強がりながら謝るリサナウト
【リサナウト】 …あなたが仲裁してくれなかったら もっと大変なことになっていたわ
【リサナウト】 でも、どうして助けてくれたの? あなたにそうするメリットなんて ないでしょう
メリットとかは 考えてなかったかな… とマスターは思い返す
困っている人がいたら力になるよ 君にも悪気はなかったみたいだし とマスターは微笑む
【リサナウト】 …あなたって本当に当主様みたいね とんだお人好しだわ
【リサナウト】 …でも、その気持ち わかる気もするわね
話しながらも リサナウトは机の上に お弁当箱を次々に置いていく
【リサナウト】 私がスクープを追ってるのは なにも自分のためだけじゃないわ
【リサナウト】 みんなに驚いてほしかった 喜んでほしかった また見てほしいと思っていた
【リサナウト】 誰かを傷つけるような記事や インタビューはしたくないわ
【リサナウト】 私はただ、みんなが楽しめる記事を 書きたくて新聞部を作ったの
【リサナウト】 そのことを、 当主様の言葉を聞いて思い出したわ
リサナウトは次から次へと お弁当箱を展開していく
…それ、全部食べるの? とマスターが尋ねる
【リサナウト】 記事にするのよ 映えるかと思って
【リサナウト】 それに、レシピも載せたら みんなも喜んでくれるかも しれないでしょ?
【リサナウト】 余った分は運動部の子達に 任せれば大丈夫でしょ
なるほど、とマスターは 呆気に取られながら納得する
確かに、君にしか書けない 記事が書けそうだ…と
【リサナウト】 …当然よ だってこの学校に新聞部は 私ひとりしかいないんだから!
次号、楽しみにしてるよ とマスターは微笑む
【リサナウト】 そうね、そうよね… ありがとう、当主様
みんなが楽しめる記事を書きたい という目的を思い出し 改めて強く意識したリサナウト
その心の変化は 『悠久なる追懐の氷撃』 を生み出していた
【リサナウト】 さ、昼休みも有限よ 限られた時間で モリモリ食べましょう!
【リサナウト】 今回の騒動のお詫びとお礼に 当主様にはおかずを一品と 4000ポイント贈呈するわ!
【リサナウト】 ふふ、当主様といると もっといい記事が書けそう そんな気がしてきたわ
最後に謎のポイントを 大量に付与されて マスターは苦笑するのだった…
Next: 20301214