210010010 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) プロローグ 第1話 反転する理想郷-1
遙か昔―― 神々に反抗した 白き正義の執行者達がいた――
苛烈な戦いの果て、 彼女達は――
【ガブリエル】 まったく…創造主たる私達に刃向かう など愚かしいことをするものだと 思っていましたが…
【ガブリエル】 それもこれも全て貴女のせいですよ ラグナロク
【ラグナロク】 みんな!顔を上げなさい! 私達の攻撃は確かに効いているわ! 今こそ神の軛を断ち切るとき!
【ガブリエル】 そう…それですよ…貴女のその“力” キラーズを安定させキラープリンセス の能力を向上させる“力”
【ガブリエル】 何故、貴女がそれを持っているのか 分かりませんでしたが、ようやく 理解しました
【リベリオン】 戦いながらごちゃごちゃと! 随分、余裕じゃねえか!!
【ガブリエル】 当然です 思い知らせてあげましょう! 私達に刃向かう愚かさをっ
【ラグナロク】 くぅっ…何とか堪えて…えっ?
【ラグナロク】 カハッ…!
【リベリオン】 ラグナロク! てっめえええええええええ!
【ガブリエル】 これですね…“バイブス” キラープリンセスには本来宿る はずのないマナの亜種
【ガブリエル】 これのせいでキラープリンセスは 貴女に惹きつけられ、その力を 向上させていたのです
【ガブリエル】 どうやらユグドラシルに少々問題が あるようですね…修正が必要ですか
【エルキュール】 よくもラグナロクを!
【グラーシーザ】 そうぞうしゅであろうと、むえきな せっしょうはせいぎにはんするぞ!
【ガブリエル】 どうしました? 全く痛痒を感じませんね バイブスがなければこの程度ですか
【ミネルヴァ】 …まさか、本当にラグナロクからの 加護が失われたと言うんですか?
【ダモクレス】 う~ん…クレス、何だか上手く 力が出せないよ~…
【リベリオン】 おい!一旦、退くぞ! ラグナロクはまだ息がある… 体勢を立て直すんだっ
【ガブリエル】 おや?そういえば、しつこい蠅が もう一匹残っていましたね 貴方は完全に消去しましょう
【リベリオン】 冗談じゃねえ! こんなところで終わるわけには いかねえんだよ!
【エルキュール】 そうです…まだ終われません! 彼女の意思を…希望を消させは しない!
【キラープリンセス達】 やあああああああああ!
【ラグナロク】 ああ…意識が…
【ラグナロク】 こんなところで…歩みを止めるわけ には…いかないのにっ…
【ラグナロク】 私には…私達には…まだ――
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選択肢:
- 諦める → select_label_01へ
- 目を開く → select_label_02へ
私には…私達には…まだ――
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【ラグナロク】 もう…これ以上は…だけどっ…
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【ラグナロク】 そう、まだ! まだ…私は…戦える!
【ラグナロク】 誰にも私の歩みを止めさせはしない! たとえそれが神であったとしても!!
【ガブリエル】 フッ まだ抵抗するのですか、無様な
【ガブリエル】 …………何っ? 奪い取ったバイブスが、 ラグナロクに引き寄せられる…!
【ガブリエル】 させはしません!
【ラグナロク】 いいえ、返してもらうわ その“力”!
【リベリオン】 …ったく、ここは退くべきだってのに 仕方ねぇな!
【ガブリエル】 そのようなもの、 通用しないと――
【ラグナロク】 ありがとう 一瞬でいい 隙が欲しかったの
【ガブリエル】 今の貴女の攻撃など…むっ? バイブスが!?
【ラグナロク】 確かに返してもらったわ さあ、みんな 仕切り直しよ!
【ダモクレス】 やった! ラグナロクが元気になった! クレスも力が湧いてきたよっ
【グラーシーザ】 いまふたたび、 せいぎをしっこうするとき!
【エルキュール】 希望を示しましょう!
【ガブリエル】 思い上がるのもいい加減にしなさい 被造物ども!
【エルキュール】 この光で、全てを包み込む!
【ガブリエル】 ガハァッ…! そんなはずが…創造主たる私が 被造物如きに負けるなど…
【ラグナロク】 それこそ傲慢よ! 私達はあなた達に創られた存在 かもしれない
【ラグナロク】 けれど、生まれ出でた者達はやがて 自らの足で歩き出す
【ラグナロク】 七つの光よ、御旗に集え! 神の軛から全てを解き放つ 皆の力を…今!
【ガブリエル】 させません… させませんよ、この… 出来損ないどもがぁぁぁっ!!
【グラーシーザ】 このせいぎがさばく!
【ダモクレス】 クレスの愛の力、 見せてあげよー!
【フライシュッツ】 かいしんのいちげきーっ!
【ネス】 規律に従い、あなたを罰します
【ミネルヴァ】 これが答えです!
【スイハ】 雲をも射抜く、我が一撃!
【ガブリエル】 おのれぇぇっ…! 愚か者ども…貴女達には 絶望こそ相応しいぃぃっ
【エルキュール】 絶望を希望で飲み込みます!
【ラグナロク】 白き意志は、誰にも砕けはしない!
【ガブリエル】 ぐああああああぁぁっ…
【リベリオン】 やった… やりやがった、あいつら!
【リベリオン】 フレンネルは勝てないと踏んでいた のに、ガブリエルを倒してみせた… 何て奴らだっ
【グラーシーザ】 せいぎはかつ! あーっはっはっは!
【ミネルヴァ】 油断しないで下さい まだ終わってはいませんよ
【ラグナロク】 旧き支配者の魂に終焉を 私達は歩み続けるわ
【ガブリエル】 愚かですね… これで勝った気でいるとは…
【ラグナロク】 旧き支配者があなただけでないことは 理解しているわ 私達はその悉くを撃ち倒す
【ラグナロク】 そうして、世界に真の平和を もたらしてみせる!
【ガブリエル】 ああ、愚かです… 実に愚か…貴女達はこの世界の ことを何も理解していない…
【ガブリエル】 何のために世界が創られたのか… 何のためにあなた達が創られたのか… 何のために――
【ガブリエル】 異族が創られたのか
【ガブリエル】 じきに思い知ることとなるでしょう… 貴女達の愚かさが、いつか貴女達を 襲うことになります…
【ガブリエル】 それを…観察できないのは… 少々残念…ですね…
【ラグナロク】 世界が創られた意味? それは、どういうことなのっ?
【ガブリエル】 ふふふ…ははははは――
【ラグナロク】 くっ… まるで呪いのような言葉を残して いったわね…
【エルキュール】 大丈夫ですか、ラグナロクっ?
【ラグナロク】 …ええ、私は平気よ ガブリエルは消滅したわ
【エルキュール】 では、私達の勝利ですね!
【ミネルヴァ】 浮かれてはいられません まだ神の軛から完全に解き放たれた わけではありませんから
【フライシュッツ】 は~い ミネルヴァちゃん、はぐだよ はぐ~♪
【ミネルヴァ】 いきなり何をするんですかっ?
【フライシュッツ】 そんなに難しい顔してちゃ、 めっ!だよ~
【フライシュッツ】 今は素直に勝利とみんなの無事を 喜ぼうよ~っ
【グラーシーザ】 ははは! フライシュッツの言うとおりだ
【エルキュール】 困難は続くでしょうけれど、 希望はあります!
【ラグナロク】 そう…その通りね! どんな困難が待ち受けていようとも 私達は必ず勝利する
【ラグナロク】 さあ、皆! このまま足を止めずに!
【リベリオン】 とんでもない土産話ができたぜ 天上世界はあいつらに任せておけば 大丈夫だな
【リベリオン】 俺に残された時間はあまり無ぇ フレンネルとできるだけ打ち合わせて 地上に戻るとするか
【リベリオン】 あの八人のキル姫がフレンネルの 手助けをしてくれれば全て上手く いくはずだ
ラグナロク達八人のキル姫は 神々の軛から天上世界を解放した――
彼女達と協力し、フレンネルは ユグドラシルの側に天上世界を 統べる教会を設立する――
その名はラグナロク教会――
教会によって世界は統治され、 人々は平穏な日々を送った――
やがて、キル姫達が天上世界に 増えていく――
彼女達を管理・統制するため キル姫のもつキラーズと適合する バイブスを持つ者――
奏官が教会によって任じられた――
だが、強大な力を持つキル姫を 従えた奏官達はやがて、教会の命令を 拒むようになる――
少しずつ教会の権威は弱まり、 奏官達は手を組んで独自の同盟 「ギルド」を作っていった――
そしてギルド同士が睨み合い、 互いのキル姫を戦わせ、覇権を 争うようになっていく――
そんな折、天上世界に“蝕”が 訪れた――
【リベリオン】 何やってんだ、てめえら! 人間同士で争ってる暇があったら 地上で悪魔どもと戦いやがれ!
再び天上世界に現れたリベリオンに よって地上世界の存在が明かされ――
【奏官1】 悪魔ねぇ うちの姫達の力を試すには うってつけじゃねぇか
【奏官2】 地上世界… 新天地でなら俺達が支配者になる ことも夢じゃないぞ!
【奏官3】 世界の救済、それこそが私達の 真の目的だったのですね 行きましょう、皆さん
【奏官4】 勝手にやってろ 地上のことなんざ知ったことじゃない
【奏官5】 あいつは何者だ? この世界は…本当は何なんだ?
様々な思惑が渦巻く中、 多くの奏官達がキル姫を連れて 地上へと降りていった――
【ティルフィング】 今度こそ決着をつけましょう バアル!いいえ、ベルゼブブ!!
【バアル】 キャハハハハ! もう世界も何もかもどうでもいいや! ティルを食べられるのなら!
【バアル】 ティルフィングウウウウウウウ!!
【ティルフィング】 これで終わりよ!
【バアル】 あああああ…もう…食べられない なんて…イヤアアアアアアアアアア…
【ティルフィング】 …処理、完了
キル姫は地上を支配していた悪魔との 戦いに勝利した――
地上世界は再び人類のものとなり、 平和な日々が訪れるかに思われた――
しかし、もたらされたのは新たなる 争いの日々――
地上に降りてきた幾人もの奏官達が キル姫を利用して覇権を争う そんな世界だった――
霊装支配という新たな技術の確立に より、一時期、世界は三つの国にまで まとまる――
だが、統一は成し遂げられず、 再び多数のギルドが小国を形成する 乱世へと戻ってしまった――
それから幾星霜――
争いはやまず、ただ大規模な戦もなく 世界は微妙なバランスを保って 存続していた――
そんな二つの世界を 世界樹ユグドラシルが 静かに見守り続けている――
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