210023213 レーヴァテイン・獣刻・バハムート 迫りくる破滅の豪波
【レーヴァテイン】
下がって！！
【レーヴァテイン】
はぁぁぁぁっ！！
ビーチに戻り、 駆けつけてきた姫たちと 少女を守りながら戦うレーヴァテイン
【レーヴァテイン】
はぁ…はぁ…！
しかし朝の戦闘の疲れが 抜け切っておらず…、
【レーヴァテイン】
そこ！
持ち場を離れないで！！
また、他の姫に 指示を出しながらの戦闘ゆえ、 かなりの苦戦を強いられる
【レーヴァテイン】
はぁ…はぁ…はぁ…
そんな中、 マスターの言葉を 思い出す彼女
【レーヴァテイン】
『おっけ』と…
なんでも背負い過ぎない
そう言っては剣を振り、
【レーヴァテイン】
全部、自分でやろうとしない
そう言っては、 敵の攻撃を剣で受け、
【レーヴァテイン】
全部できると思わない
【レーヴァテイン】
はぁ…はぁ…
少女を左手に抱えたまま、 異族を斬り伏せ、 マスターの元にやってきた彼女
満を持して、こう尋ねる
【レーヴァテイン】
おっけ…
【レーヴァテイン】
で……
私はどうしたらいい？
それは彼女が初めて、 マスターに全てを委ねた瞬間だった
【レーヴァテイン】
教えて、マスター
少女は僕が預かる みんなの指示も僕が出す だから…
きみは思うように自由に戦って！ と、檄を飛ばすマスター
【レーヴァテイン】
…おっけ
【レーヴァテイン】
やってみる！
マスターのその指示に従い、 剣を振るう彼女
【レーヴァテイン】
心の底から
マスターに頼ったら…
【レーヴァテイン】
剣が軽くなった
【レーヴァテイン】
心も軽くなった
【レーヴァテイン】
腕が…
今まで以上に振れる！！
【レーヴァテイン】
いけっ！！
重責から解き放たれた彼女は、 新たなる力に覚醒！
【レーヴァテイン】
新技！！
『迫りくる破滅の豪波』―――ッ！！
見事、敵を討ち滅ぼすのだった
【レーヴァテイン】
はい、これ
少女の頭に、 優しく麦わら帽子を 乗せてあげる彼女
【レーヴァテイン】
次は飛ばされないようにね
そう言うと、 嬉しそうにお礼を言う少女を 背に、その場を後にする
【レーヴァテイン】
ふぅ…
それにしても……
【レーヴァテイン】
あ～、疲れた…
――夜
太陽は沈み、ビーチは 先程の戦闘が嘘のように 静けさを取り戻している
【レーヴァテイン】
はぁ…はぁ…
戦闘の疲れを癒すため… また自分の心と向き合うため… 一人、海を泳ぐレーヴァテイン
【レーヴァテイン】
…ふぅ
ビーチに上がってきたところに、
【レーヴァテイン】
…あ
【レーヴァテイン】
マスター…
どう？少しは肩の荷が下りた？ と、マスターがタオルを 差し出してきた
【レーヴァテイン】
……そうね
【レーヴァテイン】
少し分かったの
【レーヴァテイン】
今までの私は、
背負い過ぎてた
【レーヴァテイン】
でも…任せられる人が現れた
【レーヴァテイン】
それは…
なんにも出来ないと言うあなた
【レーヴァテイン】
なんか…
今まで、ちょっと損した気分
【レーヴァテイン】
ふふ、リーダーって、
そんなんで良かったんだね
【レーヴァテイン】
マスターは、
なにもできなくなんかない
【レーヴァテイン】
戦う力はないかも知れないけど、
誰かを勇気づける力があるよ
【レーヴァテイン】
それこそ、適材適所ってやつかな
【レーヴァテイン】
だから私も…
無理はせずに出来ることを
やってみるよ
【レーヴァテイン】
ありがと、
大事なことに気づかせてくれて
長く美しい髪を拭きながら、 微笑む彼女
その表情は、 とても穏やかで 優しげだった
Next: 210023214