210101102 フラガラッハ わたしというものがありながら
二人は 並んで波打ち際を歩いたり トロピカルジュースを飲んだり…
日が傾くまで一日中 海辺で楽しい時を過ごした
【フラガラッハ】 本当に綺麗…
そして今は二人 パラソルの下で肩を並べ 沈みゆく夕日を眺めていた
マスターはフラガラッハを見て 今日は楽しかったよ、と話す
【フラガラッハ】 マスター、昼間はこちらを 見るたび赤くなっていましたけど…
【フラガラッハ】 ようやくわたしを まっすぐ見てくれましたね ふふ…
本気なのかからかっているのか わからない発言に マスターは戸惑ってしまう
【フラガラッハ】 ねえ、マスター…
【???】 あ、すみませーん!
その時、二人の足元に ビーチボールが転がってきた
マスターはボールを拾い 走り寄ってきた女性に どうぞ、と手渡す
【女性】 ありがとうございましたー!
にこにこと手を振る女性に マスターも にこやかに手を振って見送る
【フラガラッハ】 …マスター
背後から、フラガラッハの 冷たい声が聞こえてきた
【フラガラッハ】 わたし以外の女性に あんなにだらしなく 鼻の下をのばすなんて…
振り返った先には 恐ろしげな笑みを浮かべる フラガラッハの姿が…
【フラガラッハ】 よ~く、わかりましたわ マスターは、ああいうタイプの女性が お好きなのですね
またからかって…と思ったマスターは そういうんじゃないよ、と 苦笑まじりに弁明する
【フラガラッハ】 いいのですよ わたしに気をつかわなくて
だが今回は本気で怒っているようで マスターは焦る
【フラガラッハ】 彼女と一緒に遊んでらしたら いかがです?
フラガラッハはそう言うと 呼び止めるマスターを無視して 立ち去っていってしまった
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