210102060 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第10章 勝利を招く悪魔 ―フレイルティ― 第２話 強くある者-6
【ヴァナルガンド】
コマンドキラーズは北地区の方に
退いたようです
【グリモワール】
何とか凌いだって感じね…
でも…
【カミト】 かなり際どかった… 兄貴達が来てくれて助かったよ
【ヴァング】 ったく！ 人使いの荒いキル姫のお陰で 到着するなり大忙しだ
【ヴァング】 シユウ、腹減ってねぇか？ よく頑張ったな
【シユウ】
うがあああぁぁ！
シユウはあのままたたかっても
よかったぞ！
【フェイルノート】
そうね
一人くらい仕留めておきたかったわ
【フェイルノート】
ところで…治療の方は上手くいって
いるのかしら？
【ゴウバラ】 ううっ…
【ペルーン】
おじいちゃん…！
しっかりしてよ…
あたしっ…
【蜻蛉切】
殿に深手を負わせてしまうとは…
一生の不覚だわっ…
【クレイ】 応急処置は終わった もっと清潔な場所で手術をする 必要がある
【クレイ】 ヴァナルガンド、準備を！ 皆も手伝ってくれ ゴウバラさんを慎重に運ぶ
【アスカロン】
任せて下さい！
力は、けっこうありますので
【クレイ】 頼むよ そっと、負担をかけないようにね
【ゴウバラ】 むうっ… 儂は…？
【ペルーン】
おじいちゃん！
あ…マスター、良かった！
【ゴウバラ】 おお、ペルーン… 儂らは…助かったのか…？
【蜻蛉切】
危ないところだったけれど、
クレイって奏官が手術をして
くれたの
【ゴウバラ】 クレイくんが… そうか…
【ゴウバラ】 蜻蛉切… すまんが、彼を呼んできておくれ 話しておきたいことがある
【クレイ】 意識が戻って良かった まだ安静にしていて下さい、 ゴウバラさん
【ゴウバラ】 うむ… だが、今のうちに伝えておかねば ならんと感じたのだ
【ゴウバラ】 クレイくん…君達が連れている キル姫は…“大罪”の力を有して いるね
【クレイ】 はい それが何か？
【ゴウバラ】 これを… 儂の権限で、君にアクセス許可を 与えよう
【クレイ】 何に対するアクセス権なんですか？
【ゴウバラ】 うむ… 儂の祖先が行った…キル姫の強化 実験…その記録だ
【クレイ】 えっ？ それでは…ヴァナルガンド達に “大罪”の力を付与したのは…
【ゴウバラ】 儂の祖先が…関わっておったようだ 何かの役に立つかもしれん… 確認しておきなさい
【クレイ】 ありがとうございます …ゴウバラさん
【ゴウバラ】 ん？
【クレイ】 中心部の奏官は半減しました 仲間を失ったショックは大きい でしょう
【クレイ】 けれど、どうか気を奮い立たせて 下さい こんなときだからこそ
【クレイ】 中心部を支える存在が必要です …ツカサは、まだ若いですから
【ゴウバラ】 ふふっ… こんな死に損ないの老いぼれに 酷なことを言う…
【クレイ】 すみません…
【ゴウバラ】 だが、その通りだな 儂もまだ死ぬわけにはいかん…
【ゴウバラ】 この地を守り抜く それが、散っていった者達への せめてもの手向けとなろう
【ヴァナルガンド】
…それで、私達を集めたのですね
【クレイ】 そういうことだ 夜遅くにすまない…
【カミト】 いえ… きっと大切なことですから
【アスカロン】
私達の力の秘密が分かるかも
しれないんですよねっ
【グリモワール】
ろくなものじゃなさそうだけど…
【ツカサ】 ゴウバラさんの祖先が関わって いるのか…
【アフロディーテ】
とても興味深いですわぁ
どうして“大罪”という感情を
力と連動させたのか…
【アフロディーテ】
そこに禁断の愛があると
いいですわねぇ♪
【シユウ】
うがあああぁぁ…
シユウはねむいぞ
【ヴァング】 そこのソファででも寝てていいぞ
【エンクウ】 ムラマサも眠くはないか？
【ムラマサ】
せ、拙者は大丈夫です！
子供ではありませんっ
【クレイ】 それじゃ、記録を開くよ
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