210111010 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第11章 問いかける幻獣 ―ダイアローグ― 第1話 久遠問答-1
リサナウトに連れられ、 再び中心部を訪れたカミト達
そこでは中心部のキル姫と コマンドキラーズが壮絶な戦いを 繰り広げていた
カミト達の参戦も虚しく、 北・西地区の奏官とキル姫が 討たれてしまう
さらに東地区の奏官、 ゴウバラも窮地に陥った
そこにフェイルノートと ヴァング達が現れ、 コマンドキラーズを退かせる
自身の指揮により、勝利を もたらすと宣言する フェイルノート
その言葉通り、戦況は中心部の者達に 有利に進み始めた
だが、フォルカスとの一騎討ちで フェイルノートは死に瀕する
自分を弱者と認めるよう囁く 悪魔ルシファーの声を拒絶し、彼女は 命がけで自身の「強さ」を証明した
ルシファーと誓約を結び、 フェイルノートは コマンドキラーズを撤退させる
そして、戦いを終えたカミトに リサナウトが告げた 地底世界にキラーメイルがいる、と
一方、ユグドラシル内部では、 アルマスとラグナロクが ティルフィングを追っていた
運命の糸が織り成し続ける――
【アルマス】 かなり記録を遡ってきたと思うけど 今、どのくらい…?
【ラグナロク】 そうね… もうじき私達キル姫が存在しなかった 時代に入る
【ラグナロク】 神魔契約が結ばれた頃よ
【アルマス】 それって、神魔大戦の終わりって ことよね…
【アルマス】 これから、あの長い神魔大戦の時代を 遡るってこと? 気が遠くなるわ…
【ラグナロク】 一つ一つの記録に囚われていたら 膨大な時間を費やすことになる 意識しすぎないよう、気をつけて
【ラグナロク】 私達の目的はティルフィングに 追いつくことなのだから
【アルマス】 分かってる でも、勝手に頭の中に流れ込んで くるときがあるのよっ
【アルマス】 ユグドラシルに蓄積された情報が こんなにたくさんあっただなんて…
【ラグナロク】 世界の始まりからある存在だもの ユグドラシルは全てを見守って――
【ミカエル】 皆が生き存えるために、 全てを管理すべきなのです まだそれが分からないのですかっ?
【ルシファー】 愚かだな 滅びに瀕しても生き存える者だけが 生き延びれば良いのだ
【アルマス】 ラグナロク!
【ラグナロク】 …ごめんなさい、アルマス 囚われかけていたわ
【ラグナロク】 今の記録は、神魔大戦中のもの… あの二体は何の話をしていたの?
【???】 貴方達の献身に感謝します どうか、世界をお願いね
【???】 私には…もう平和を維持することが できそうにないから…
【アルマス】 …ハッ! 今のは…誰…?
【ラグナロク】 気をしっかり持って、アルマス! 神魔大戦の時代を過ぎたわ ここから先は…
【ラグナロク】 人間も動物も存在していない時代… 神々すら少なかった創世期よ
【アルマス】 創世期…世界の始まりまで、 もうすぐってことね
【ラグナロク】 ええ… それまでにティルフィングに 追いつければいいのだけど…
【アルマス】 いっそ、世界の始まりを見てみたい 気持ちもあるけどねっ
【ラグナロク】 それは… あ!アルマスっ
【ティルフィング】 …………
【アルマス】 追いついたわよ、ティルフィング!
【ラグナロク】 ここは…世界が生まれて間もない 頃のようね…
【ティルフィング】 やはり、アナタ達も来たんですね
【ティルフィング】 あと少しで「世界の始まり」を 観測することができたのですけれど…
【ティルフィング】 少し準備に手間取ってしまいました
【アルマス】 準備? ここまで来ておいて、 今更、何を準備するっていうの?
【ティルフィング】 アナタ達も知っているはずですよ “終焉”に対する準備です
Next: 210111020