210111060 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第11章 問いかける幻獣 ―ダイアローグ― 第１話 久遠問答-6
【ヴァジュラ】
んっふふふふっ！
楽しくなってきたな！
【リサナウト】
良い飲みっぷりね
さすがヴァジュラ
【ヴァジュラ】
よ～し！
あたしの踊りを見ていかない？
【ヴァジュラ】
ふんふんふ～ん♪
【アスクレピオス】
これは…見事な舞いだねっ
【カミト】 すごく色っぽいな
【アスカロン】
あんなに美しく踊れて…羨ましいっ
【アスカロン】
私だって…踊ってみせます！
【グリモワール】
やめておきなさい
張り合ってどうするのよっ？
【マサムネ】
くっ…
解せぬ…
【ヴァジュラ】
んっふふふ！
あたしってば、やっぱ豪運だな
こんなに楽しいお酒が飲めるなんてっ
【ヴァジュラ】
スヤスヤ…
【リサナウト】
ふう…
ようやく寝落ちしたわね
私の予想通りよ
【マサムネ】
なるほど
ヴァジュラに酒を振る舞い、
上機嫌にさせたのはそのため…
【マサムネ】
リサナウト
そなたに疑心を抱いたこと、
深く詫びよう
【リサナウト】
いいのよ
私の完璧な計画を把握できる者
なんていないのだから
【グリモワール】
完璧ねぇ…
それで、これからどうするのよ？
【アスクレピオス】
そもそも、どうしてマサムネと
ヴァジュラは戦っていたんだい？
【リサナウト】
その理由はすぐに分かるわ
これは予言では――
【グリモワール】
そのくだりはもういいから！
さっさと答えなさい！
【リサナウト】
せっかちね…
みんな、ついてきて
マサムネ、案内をお願い
【マサムネ】
うむ…
しかし、厄介なことになって
いるようだぞ
【？？？】 …………
【？？？】 …………
【アスクレピオス】
ここは…？
随分と奥まったところにある
部屋のようだけど
【カミト】 中に誰かいる… 二人、向かい合ってるよ
【アスカロン】
ここからでも強い力を感じます…
ひょっとして、あれは…
【リサナウト】
幻獣ウロボロスよ
【グリモワール】
ウロボロス！？
まさか…幻獣は滅んだはずじゃ…
【マサムネ】
大半はな
しかし、ウロボロスは生き残って
おったようだ
【リサナウト】
ウロボロスと向かい合ってるのは
カシウスというキル姫よ
【グリモワール】
カシウス…
聞き覚えがないわね
【グリモワール】
それで…ワタシ達をこんなところまで
連れてきて、キミは何を企んで
いるの？
【リサナウト】
ふふっ…
可能性の拡大、かしらね
【グリモワール】
ちょっと！
そんな曖昧な答えじゃ分からないって
言ってるのよ！
【カミト】 あのキル姫と幻獣… 何か話してるみたいだ… ここからじゃよく聞こえない…
【カミト】 一体、何を話してるんだろう…
【アスカロン】
…マスターっ？
ダメです！
【カミト】 えっ…？
【カミト】 うわあっ！？
【グリモワール】
下がりなさい！
結界が張ってあるのよ
【カミト】 ビックリした… どうして結界なんか…
【マサムネ】
二人は問答を続けておるのだ
その邪魔をされないよう、
結界を張ったとみえる
【アスカロン】
問答…何について話しているん
でしょう？
【マサムネ】
あの二人が話し合っているのは
ただ一つのこと
【マサムネ】
「変わらない穏やかな日常の価値」
それを問い続けている
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