210131104 パラケルスス 『海浜ビーチ帝国の誇り』
数日後 マスターは再び浜辺を歩いていた
【パラケルスス】 …ふむ
すると パラケルススが一人で熱心に なにかをしているところに出くわす
【パラケルスス】 あっ…
パラケルススはマスターに気づくと 慌てて手にしていたビーチボールを 背中に隠す
マスターが、遊んでいたの?と 尋ねると
【パラケルスス】 …ち、違うぞ、これはただ――
【パラケルスス】 …まあ、いいだろう これはその… 新しい海の遊びを検証していたのだ
【パラケルスス】 以前、君がわたくしの知識は 遊びにも活かされるはず と言っただろう
【パラケルスス】 それからわたくしは 海の遊びについても調べているのだ
マスターは、自分の話を聞いて 実践していたことを知って嬉しくなる
【パラケルスス】 この研究はなかなか興味深い それに…
パラケルススは もじもじしながら小声で話を続ける
【パラケルスス】 新しい遊びを教えると 皆が喜んでくれるのが…その…
嬉しい…?と マスターは尋ね
【パラケルスス】 …そうだな
【パラケルスス】 自分の知識で仲間が喜ぶのが、嬉しい それに、その心がわたくしに 力を与えてくれることに気づいたんだ
パラケルススは まっすぐにマスターを見つめる
【パラケルスス】 …気づかせてくれたのは、君だ キミと一緒にいると… 心まで強くなってくる…
【パラケルスス】 君がくれる気づきが わたくしの新しい力になるんだ…!
それはまさに、パラケルススが 新たな力『海浜ビーチ帝国の誇り』に 目覚めた瞬間だった…!
【パラケルスス】 不特定多数となれ合い、戯れる… わたくしには考えられなかったことだ しかし…
【パラケルスス】 それがまた力につながるというのなら とても興味深いことだと思わないか?
マスターは確かにそうだね とうなずく
【パラケルスス】 これは非常に研究のしがいがある…
【パラケルスス】 …マスター、わたくしは もっと知識を磨き上げるぞ!
嬉しそうなパラケルススの顔に マスターが満足気にうなずいた時…
【パラケルスス】 …!
パラケルススにビーチボールを ぶつけられてしまう
【パラケルスス】 ぼーっとしている時間はないぞ さあマスター 次の遊びを試そうじゃないか!
いつになく無邪気にはしゃぐ彼女に マスターは思わず 可愛い…とつぶやく
【パラケルスス】 なっ… か、可愛いとか言うな!
顔を真っ赤にして 睨みつけてくるパラケルススに…
マスターは ますます可愛いな、と思うのだった
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