210141103 ティルフィング 『ファントムオブラブ』
二人が向かった先は 小さな岩が積み重なった場所だった
岩の隙間をのぞき込んだマスターは あっ…と驚いて奥を指さす
【ティルフィング】 …! まさか本当に見つかるなんて…!
マスターは、よし…と手を伸ばし 貝殻をしっかりつかむ
しかしその時、岩が崩れ…
【ティルフィング】 …!マスター…!
マスターの足が崩れた岩の間に ガッチリ挟まってしまう
【ティルフィング】 マスター! 大丈夫ですか…!? 今すぐ、助けます…!
ティルフィングは必死に 岩をどかそうとしてくれる
【ティルフィング】 くっ…ううっ…
しかし、マスターの足は抜けず ティルフィングの顔に 焦りが見え始める
【ティルフィング】 貝殻に夢中になってマスターを 危険にさらすなんて 本末転倒です…!
【ティルフィング】 私が貝殻でかなえたかった願いは マスターと…
【ティルフィング】 だから私は 絶対にマスターを助けます…!
その時、強く願うティルフィングの 身体が光り出し 彼女のなかに新たな力が芽生えた…!
【ティルフィング】 たぁぁ…! 『ファントムオブラブ』…!
ティルフィングの新たな力により マスターは無事、救出された
【ティルフィング】 …よかったです、マスター!
マスターは お礼を言って貝殻を渡そうとして…
手の中から貝殻がなくなって しまっていることに気づく
慌ててあたりを探すが どこにも見当たらない
【ティルフィング】 いいんですよ。マスター
ティルフィングはそう言ってくれるが せっかく見つけたのに、と マスターは申し訳なく思う
【ティルフィング】 本当にいいんです。だって…
【ティルフィング】 私はマスターに、貝殻よりも 素敵なものをいただきましたから…
微笑む彼女を見て、マスターが なんのことかな、と尋ねる
【ティルフィング】 今日もまた一つ、マスターに 素敵な思い出をいただきました…!
ティルフィングの照れたような笑みに マスターも思わず微笑むのだった
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