210202030 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第20章 絶望の終焉…そして 第２話 遺されたもの-3
【ティルフィング】
あ…ううっ…
【ティルフィング】
たった一撃で…
皆さんは…
【アルマス】
…………
【ラグナロク】
…………
【フォルカス】
…………
【グランテピエ】
…………
【ティルフィング】
皆、倒れて…
ダメです…体が動きません…
【ティルフィング】
諦めたくない…！
ここまで皆で繋いできたのに…
諦めるわけにはっ
【ティルフィング】
平和な世界のために…
終わるわけにはいかないんです！
【終焉】
平和な世界のために、ね
そうやって自分を犠牲にするのは…
【終焉】
エイレーネに似ているわ
やはり親子だからかしら
【ティルフィング】
アナタ…！
そういえば、ユグドラシルに保存
されていた記録で見ました…
【ティルフィング】
アナタが母を眠りに落としたせいで
神魔大戦が始まったんです…！
【ティルフィング】
どうして、そんなことを！？
母は平和な世界を願い続けていたと
いうのにっ
【終焉】
あなたに話しても無意味よ
それに、今更どうでもいいことね
【ティルフィング】
どうでもいいなんて…
あんまりです！
【ティルフィング】
…私が母に似ていると言いましたね
そのことを誇りに思います
【ティルフィング】
私も母のように、平和な世界のために
その身を捧げてみせましょう！
【終焉】
愚かな子…
【ティルフィング】
マスター…
お母さん…
私に力をっ！
【ティルフィング】
これは…？
【終焉】
まさか…
【エイレーネ】 大丈夫よ、ナディア
【ティルフィング】
お母さんっ？
【ティルフィング】
ずっと声を聞きたくて、
でも聞くことができずにいたのに…
【エイレーネ】 ごめんなさい… 私にはもう、あなたの思いに応える だけの力がなかったの
【エイレーネ】 ただ、あなたの声は…思いは… 届いていましたよ どれだけ話したかったか
【ティルフィング】
お母さんっ…
【エイレーネ】 ここは思いの強さが大きく反映される 世界…ここでなら、あなたと話すこと ができます
【エイレーネ】 ナディア… 私自身にあなた達を助ける力は ないけれど
【エイレーネ】 助言はできるわ よく聞いてね、愛しい私の娘
【ティルフィング】
はいっ
【エイレーネ】 “終焉”は他世界から力を得ています でも、それは本来ユグドラシルのもの
【エイレーネ】 ただ、絶望が“終焉”に味方している だけです それなら同じように…
【エイレーネ】 希望があなた達の味方をしてくれます 信じて、呼びかけて 頼りになる仲間がすぐ側にいるわ
【エイレーネ】 希望を信じて抗っているのは、 あなた達だけではないのですから
【エイレーネ】 それと、私のことで“終焉”に 怒りを向けてはいけません…
【ティルフィング】
どうしてっ？
“終焉”はお母さんのことを…
【エイレーネ】 あのとき、私は高まり続ける争乱の 気配に押し潰されそうでした…
【エイレーネ】 もし“終焉”が眠りに就かせて くれなかったら…私という存在ごと 消え去っていたかもしれません…
【ティルフィング】
えっ…？
【エイレーネ】 “終焉”がどのような思いで私を 眠らせたのかは分かりません それでも、一つだけ言えるのは…
【エイレーネ】 あのとき眠りに就いたことで、 私はエルライトと、あなたとも会う ことができたのです
【エイレーネ】 ナディア…怒りで“終焉”に抗っては いけません それでは絶望に呑まれてしまいます
【エイレーネ】 大切なのは「ナディア」 あなたの名前に込められた思いは 「希望」よ
【エイレーネ】 …もう、限界みたいね 最後にあなたの顔を見ることが できて…嬉しかった
【ティルフィング】
お母さん…！
【エイレーネ】 大丈夫よ、ナディア きっと、あなた達には幸せな未来が 待っているわ
【ティルフィング】
お母さん…
ありがとうございます
【ティルフィング】
希望が、私達の味方をしてくれる
…それは、もしかしてっ
【ラグナロク】
ティルフィング…
エイレーネの声が…
私にも届いたわ
【アルマス】
私にも…
希望が味方してくれるって
【フォルカス】
はい
頼りになる仲間が…すぐ側にいるとも
一体、誰のことなのでしょう？
【グランテピエ】
私…分かったかもしれない、かな
【ティルフィング】
私もです
荒唐無稽な話と思われるかも
しれませんが…
【アルマス】
そんなの気にしてる場合じゃない
でしょっ
聞かせて！
【ティルフィング】
はい
“終焉”と同じように、私達も
他世界から力を得るんです
【アルマス】
えっ？
ええええええっ！？
【グランテピエ】
色んな世界を飛び回ってきたって
前に話した、よね？
【グランテピエ】
その中には、さっきみたいに
“終焉”の力となってしまった
世界もあったけど
【グランテピエ】
みんなが生き存えている世界も
あったんだ
【グランテピエ】
そういう世界になら、
私達みたいに終焉に抗ってるキル姫が
いるんじゃない、かな
【ティルフィング】
彼女達に私達の思いを伝えることが
できれば…
【グランテピエ】
みんなで“終焉”に抗う希望を紡ぎ
出せると思うんだ
【アルマス】
他の世界に思いを伝える…！？
【フォルカス】
そんなこと、可能なんですか？
【ラグナロク】
それは分からない
でも、可能かどうかで私達は
進んで来なかったはずよ
【ティルフィング】
たとえ可能性がゼロだったとしても、
抗い続ける
ずっとそうしてきました
【アルマス】
そうよね
やってやろうじゃない！
絶・気合い入った！
【ラグナロク】
グランテピエの世界間跳躍能力と
アルマスの“絆の繋ぎ手”を
応用すれば…
【グランテピエ】
うん！
他の世界に呼びかけることが
できると思う
【グランテピエ】
アルマス、お姉ちゃんと一緒に
頑張ろうね！
【アルマス】
そんなウキウキした顔で言われると
緊張感なくなるわね…
【終焉】
まだ立ち上がるというの…
【ティルフィング】
また膨大な力が収束していきます
急がないとっ
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