210271102 クラウ・ソラス 冗談のつもりが…
【クラウ・ソラス】 …なぁマスター 鍛錬というが、これは…
プールの水面に浮かぶ いくつもの木板を見つめ クラウ・ソラスは戸惑っている
【クラウ・ソラス】 水上の板切れの上を走って渡る…? …そんなこと本当にできるのか?
あまり乗り気ではない様子の クラウ・ソラスにマスターは 熟練した老師のように語りかける
【クラウ・ソラス】 え…? できないことを できるようにするのが鍛錬…?
【クラウ・ソラス】 重要なのは、 できないと思い込み、 自らを縛る心を解放すること…?
うむ、そうじゃ と、マスターは仰々しく伝える
【クラウ・ソラス】 …確かに、この難関を越えれば、 私はさらに 成長できる気がする…!
【クラウ・ソラス】 よし、わかったぞ! このクラウ・ソラス、 見事この試練を乗り超えてみせる!
俄然やる気を出す クラウ・ソラスを見て…
マスターは、戸惑っていた
冗談のつもりが、 クラウ・ソラスは 本気にしてしまったようだ
そんなマスターを尻目に、 クラウ・ソラスは木切れを 足で突っついている
【クラウ・ソラス】 …大丈夫 踏んだ板が沈む前に、 次の板を踏めばいいんだ
【クラウ・ソラス】 簡単だ、簡単なことだ 私ならできる。私になら…
自分に言い聞かせるように クラウ・ソラスは呟く そして…
【クラウ・ソラス】 うおおおおっ!
勢いよく、 最初の一歩を踏み出した しかし――
【クラウ・ソラス】 うわああああ!
すぐに木切れはひっくり返り、 クラウ・ソラスもろとも 水浸しになってしまう
マスターはすぐに駆け寄る
【クラウ・ソラス】 安心してくれ、マスター 私は大丈夫だ
【クラウ・ソラス】 …今のは板の重心の真ん中を 踏み抜けていなかった
【クラウ・ソラス】 …だが、それさえできれば いける気がする!
今やクラウ・ソラスの瞳には 燃えさかる闘志が宿っていた
【クラウ・ソラス】 私はやってみせるぞ、マスター!
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