210341213 ダクネス 『トロピカル・ブロウ』
【ダクネス】 はぁ…はぁ…! そ、そんなものか!?
当たらぬ剣を振りかざし、 異族を残り一体まで追い詰めた ダクネス
【ダクネス】 お前の渾身の一撃… もっと私に食らわせてみせろ!
案の定、攻撃をわざと受けまくり、 興奮している場面もあったが、 もう少しだ
【ダクネス】 さあ、どうした! 全力で私の体に…
【ダクネス】 …む!
しかし、その時… 浜辺で遊んでいた少女が、 なにも知らずこちらに来てしまった!
【ダクネス】 こっちへ来るな!
【異族】 グガギャッ!
少女を狙う異族
【ダクネス】 危ないッ!!
【ダクネス】 ぐはっ!!
少女を庇い、まともに 攻撃を受けてしまったダクネス
【ダクネス】 うぐ…はぁ…はぁ…!
こんな状況でも興奮を…?
…いや
【ダクネス】 いたいけな少女に手を出す奴は… 私が許さない!!
その真剣な目に感動するマスター
【ダクネス】 手を出すのは… この私だけにしておけぇぇぇっ!!
………
【ダクネス】 くらえ!! 『トロピカル・ブロウ』!!
変態的発言がありつつも、 新たに目覚めた力で なんとか異族を撃退するのだった
【ダクネス】 はぁ…はぁ…!
ありがとう、お姉ちゃん!
ダクネスに礼を言う少女
【ダクネス】 ふっ…また危険な目に遭ったら、 お姉ちゃんに言うんだぞ いつでも、助けてあげるからな
うん!
去ってゆく少女
その小さな背中を見送る ダクネスの目は、 とても澄んでいて優しい
そして、 少女の小さな背中が 見えなくなった瞬間…、
【ダクネス】 さすがに…少し疲れた…
彼女は、 その場に倒れ込んでしまった
【ダクネス】 マ、マスター…?
木陰になった浜辺の木の根元で、 彼女を休ませてあげるマスター
【ダクネス】 た、体力を失い、 抵抗できない私に… なにをするつもりだぁっ!?
若干嬉しそうな表情の彼女の額に、 ヒンヤリと濡れたタオルを 乗せてあげる
【ダクネス】 …!
身を挺し女の子を守ってくれた姿に、 立派な騎士の誇りを見たよ …と告げるマスター
【ダクネス】 ……マスター
きみももう立派な… キル姫だね
【ダクネス】 ………
【ダクネス】 この世界に来て、時が経過したが… それも悪くないと 思うようになっている……
【ダクネス】 以前の私は、攻撃に 晒されるのが堪らなくて 戦っていた…こともあった
【ダクネス】 だがマスターの想いに共感し、 人を救うために戦うのも悪くない… いつもそう思えるようになった
そう告げる 彼女にマスターは応える
(ドMだから)優しくされるのは 好きじゃないかも知れないけど、
そんなきみだから、 助けてあげたくなるんだ
【ダクネス】 マスター…
きみはよく、 「そんないやらしい目で見るな」 と言うけれど、
僕はいつも 心配の目で見ているんだよ
【ダクネス】 …わ、わかっている いつも優しく 見守ってくれているのは…
【ダクネス】 う、うむ… その、参ったな…
【ダクネス】 優しくされる、 というのは私の趣味ではないのだが…
頬を赤らめる彼女
潤んだ瞳は、 先程までの興奮とはまた違う悦びに 酔いしれているようだった
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