21035124 マサムネ 零式・奔放な夏祭り
数日後― ダモクレスとマスターの姿が 平穏をとり戻したビーチにあった
【ダモクレス】
よし、これでもう
邪魔な敵はいなくなったねー!
【ダモクレス】
かわいそうだけど
苦しくないようにしてあげたし!
…愛があるから、だいじょーぶ!
【ダモクレス】
あー、開放されたきーぶんー!
マスター、もう脱いでもいい!?
【ダモクレス】
…だめ?いいじゃない、これくらいー
海の中は海の中で楽しいけど
ビーチでも楽しくしたいー!
ひらひらする水着を うっとうしそうにつまみつつ 彼女はマスターに訴えた
【ダモクレス】
めくれないように気にし続けるの
やっぱりすごく大変なんだよ~…
【ダモクレス】
…それに日差しを浴びてると
脱いだほうが自然かな?生きてるな?
って気もするし
【ダモクレス】
嫌がる子もいるのなら
見えないように気をつけるから…
ねえねえ~!いいでしょ~ !
【ダモクレス】
別にマスターにも脱いで!
って言ってるわけじゃないから~
【ダモクレス】
う~、やっぱりダメなの?
なんでそんなに頑ななのかな…
不満そうな表情を浮かべる彼女に マスターは素直な気持ちと 機転を利かせた話をする
【ダモクレス】
えっと…かわいい?
水着が?水着を着てるクレスも?
だから着てたほうがいいの~?
【ダモクレス】
そうなんだ~
えへへ…
ダモクレスは不思議そうに 水着を見つめてから相好を崩す
【ダモクレス】
マスターは着てるほうが好き…
つまり愛があるってこと
マスターの愛を着てるんだ~
彼女は不思議な価値観から さらに独特の結論を導き出す
【ダモクレス】
そう思うと、水着を着てるの
楽しくなってきたかも~
【ダモクレス】
なんだろう…こころが熱くて
気持ちがキリッと引き締まる感じ
【ダモクレス】
うん…ちょっときついのも
いいかもー
心が広がるような開放感ではない 気持ちが締め付け凝縮され 研ぎ澄まされていく感触
それは彼女の中で新たに目覚めた 気持ちと感覚
その感覚が、新たな力を 『零式・奔放な夏祭り』 を見出したのだった
【ダモクレス】
…海の中のふわっと感と
水着きゅっとした感じ…
どっちもすごく素敵…
静かになったビーチ 二人は再びゆったりと 時を過ごす
【ダモクレス】
脱いでないのに
いい気持ちなのって…
…そこに、愛があるから?
【ダモクレス】
…うん、きっとそうだね
ね、マスタ~?
今、マスターの手を取る ダモクレスの表情は 楽しいだけの笑顔ではなく…
ほんの少し、艶めいた眼差しで マスターの手を水着へと 沿わせるのだった
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