210517041 限定クエスト ウェディングイベント さあ、泥塗れのままに踊ろう 後編 ストーリークエスト さあ、泥塗れのままに踊ろう 後編 ストーリークエスト 4 - 【EP.3】旅人の望み さあ、泥塗れのままに踊ろう 3話 さあ、泥塗れのままに踊ろう 3話
【イチイバル】 おお…ついに完成したんだね!
姿見の前で、 純白のドレスを着るイチイバル
ひらひらと舞いながら、 ドレスの精巧な出来に感心する
【ロジェスティラ】 わぁぁっ…!! 素敵ですっ、素敵ですっ!
【イチイバル】 ハハハ、興奮してるね そんなに似合ってる?
【ロジェスティラ】 もちろんですっ! 絶対にぴったりだって 思っていましたので、のでっ…!
【ロジェスティラ】 あぁ、素敵… 本当にお姫様みたい…
【ロジェスティラ】 やっぱり…わたしよりも、 イチイバルさんの方が…
ぽそっと自虐を呟きかけ、 慌てて口を押さえる ロジェスティラ
ドレスに夢中なままの イチイバルを見て、 ほっと息をつく
【イチイバル】 ねえ、 ドレスはこれ以外にも あるのかな?
【ロジェスティラ】 あ、はいっ! 試作で作ったのが何着か…
【イチイバル】 そうか、それじゃあ… 二人で舞踏会に出よう!
【ロジェスティラ】 …えっ?
【イチイバル】 この国には、 こんなに素晴らしいドレスと それを作る可憐な少女がいる
【イチイバル】 その事実を、 国中のみんなに知らしめないと もったいないじゃないか!
【ロジェスティラ】 あ、あのあのっ、そんなっ…!
【イチイバル】 ね、いいだろう? ボクといっしょに踊ろうよ!
突然の申し出に ロジェスティラは混乱する
荘厳なパーティー会場で、 自分がイチイバルと踊っている姿
想像して…けれどすぐに、 ロジェスティラは首を振る
【ロジェスティラ】 ごめんなさいっ… それは、できません
【イチイバル】 えっ? どうして…?
【ロジェスティラ】 だ、だって…
【ロジェスティラ】 わたしなんかが、 ドレスを着て人前に出ても
【ロジェスティラ】 その美しさを… 衣装を 曇らせてしまうだけなので…
【イチイバル】 曇らせる…って、 そんなこと…
言いかけるイチイバルを ロジェスティラは制止する
【ロジェスティラ】 いいんですっ! イチイバルさんに 着てもらえるだけでっ
【ロジェスティラ】 わたしはそれで 満足ですので、のでっ…!
鬼気迫るロジェスティラの様子に、 イチイバルは一歩身を引く
そこまで言うなら…と、 イチイバルは彼女の意思を 尊重するのだった
それから時は経ち… 舞踏会当日
【イチイバル】 …………
寝床で横になったまま、 イチイバルは考えを巡らせる
【イチイバル】 ボクはこれまで、旅人として… いろんな世界を周ってきた
【イチイバル】 楽しい思い出も 悲しい思い出も たくさんあるけど
【イチイバル】 いつからだろう… ロジェとの日々を、 何よりも大切に思いはじめたのは
イチイバルは改めて、 ロジェスティラとの 暮らしを思い返す
【イチイバル】 彼女とは まだ短い付き合いだけど…
【イチイバル】 もっとロジェのことを 理解したいと思う自分がいる
【イチイバル】 フフッ…こんなの、 生まれて初めての経験かもね
【イチイバル】 どの国の誰とも…こんな親密に 付き合うことはなかったから
イチイバルは寝返りを打ち、 さらに深く思考する
【イチイバル】 ボクは…ロジェのことを、 どう思っているんだろう
【イチイバル】 ボクはロジェと、 どんな関係を築きたいのだろう…
【イチイバル】 きっと、その答えは―
【イチイバル】 …よしっ
イチイバルは目を覚まし、 ベッドからのそのそと起き上がり
筆と紙を手に、 机へと向き合いはじめた…
【イチイバル】 助かったよ、ロジェ 送ってくれてありがとう
【ロジェスティラ】 いえっ、わたしは馬車を 手配しただけですので
【ロジェスティラ】 えっと…ドレス姿、 やっぱりとっても素敵ですっ
【ロジェスティラ】 今夜は思う存分 楽しんでくださいねっ…!
【イチイバル】 あぁ、もちろん 旅の大切な思い出にする
【ロジェスティラ】 はいっ…! それじゃあ…
ロジェスティラはお辞儀をして そっとその場を去ろうとするが―
【イチイバル】 …ロジェ!
【ロジェスティラ】 へっ…は、はいっ?
【イチイバル】 あのね… キミに受け取ってほしい ものがあるんだ…!
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