210615110 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー 暴走ゲハイムシュリフト オティヌス 暴走ゲハイムシュリフト オティヌス 2 - 1話 暴走ゲハイムシュリフト オティヌス-1 暴走ゲハイムシュリフト オティヌス-1
「わあああっ!?」 町中に驚愕の声が響き渡る
その声に通行人達は歩みを止め 発生源である男を見つめる
しばらくすると 町は元の喧騒を取り戻す
何故ならば、 驚きの声を上げた男が 笑っていたからである
その一部始終を 路地裏から見つめる影がふたつ…
【オティヌス】 あはははっ♪ ねえ見た?今のおじさんの顔!
影のひとつはキル姫オティヌス 彼女の問いに頷いて返す もうひとつの影がそのマスターだ
【オティヌス】 この町の人達、めっちゃ素直だよね あんなに驚いてくれるなんて!
【オティヌス】 あんたのイタズラも傑作だよ! 虫の玩具に仕掛けを付けて 走り回るようにするなんてさ
その仕掛けを作ってくれたのが あの職人のおじさんだからね と笑うマスター
【オティヌス】 じゃああれはお礼ってこと!? だからおじさん笑ってたんだね… あはは、やっぱあんたって面白い!
そのオティヌスの笑顔が 原動力だよ、とマスター
【オティヌス】 むむ、そう言われると あたしもイタズラであんたを あっと言わせてみたくなるなぁ…
【オティヌス】 だって、あたしばっかり 楽しんでるなんてつまんない! あんたのこと驚かせたいもん!
楽しみにしてるよ と余裕なマスター
【オティヌス】 あーっ! あたしのこと バカにしてるでしょー!
そんなことないよ とマスターは笑って返す
【オティヌス】 絶対してるよー! むー…あんたのイタズラ もう手伝ってあげないから!
それは困るなぁ…とマスター
壮大なイタズラで世界中の人を 驚かせる夢はオティヌスが 不可欠だからね、とマスター
【オティヌス】 むむ、そう言われると あたしも悪い気はしないっていうか…
【オティヌス】 そういえば この後、町の町長さんに 呼ばれてるんじゃなかったっけ?
奏官としての仕事も しないといけないからね、とマスター
【オティヌス】 マスターのお仕事も大変だねぇ ギルドに入ったらちょっとは 楽になったりするんじゃないの?
ギルドに入ると、こうして 旅をしながらの生活ができなくなる とマスター
【オティヌス】 でも、楽になれば イタズラを考える時間も 増えちゃったりするんじゃない?
そうかもしれない けれど、それ以上の問題がある とマスターは深刻な顔をする
【オティヌス】 ごくり… も、問題って…
イタズラがしづらくなる! ギルド長に怒られるからな と真顔で言ってのけるマスター
【オティヌス】 …ぷっ、あははははっ♪
【オティヌス】 いや、今でも時々、 教会の人や自警団の人達に 怒られてるでしょ!
【オティヌス】 でも、たしかに 自由に動けるから いろんなイタズラできるんだもんね
…オティヌスはギルドに入って 少しは楽になったほうがいいか? と訊ねるマスター
【オティヌス】 んーん、あたしはこうして あんたと一緒にイタズラしたり 誰かを救う毎日が好きだなぁ
【オティヌス】 なんか、ギルドって 堅苦しい感じするし
自分もそれが苦手だ と笑うマスター
【オティヌス】 あははは♪ あんた、正直で面白いマスターだね
【オティヌス】 あんたに感じたこの胸の高鳴りは 本物だって、そう思う!
笑い合うオティヌスとマスター
ふたりの日々には 笑顔と喜びが満ちていた
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