210751040 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー インテグラルノア編サイドストーリー「やがて大樹の姫巫女達よ-前編-」 第1話 射抜く者 4 - 射抜く者-4 射抜く者-4 射抜く者-4
【梓弓】
ど…どうして…
しっかりして下さい、マスター
【傷ついた奏官】 ああ…梓弓か… くそっ… 背後から…やられたっ…
【奏官】 おい！ 何か犯人の手がかりは掴んで いないのか！？
【傷ついた奏官】 ぐっ… すまん…
【梓弓】
マスター…！
【奏官】 そっちのキル姫！ お前は何で自分のマスターを 守れなかったんだ！？
【梓弓】
すみません…
あの…今は手当てを優先して
いただけると…
【奏官】 うるさい！ うちのギルドが虚仮にされてるんだぞ 呑気なこと言ってられるか！
【与一】
あのぅ…マスター
与一も、無理に話を聞くのは
どうかと思うのですけど…
【奏官】 何だと！？ 与一！ 俺に意見する気か！
【与一】
はぅ！
申し訳ないです！
出過ぎた真似をしましたっ…
【奏官】 だいたい、昨夜の見回りは お前と梓弓だったろうが！
【奏官】 お前達が犯人を見逃すから こんなことになったんだ！ 分かってるのか！？
【与一】
あうぅ…
はい…その通りです…
お役に立てず、申し訳ないです…
【梓弓】
わたくしがもっとしっかりしていれば
…マスターがこのような目に遭わずに
済んだというのに…
【奏官】 使えない奴ばかりだ！ このままじゃ俺がギルドマスターに 怒鳴られるんだぞ…！
【ヒョウハ】
ちょっと待てよ
そいつらばっかり責めるのは
違うだろっ
【奏官】 誰だ？ …キル姫！？
【梓弓】
見慣れない方ですね
名を名乗っていただけますか
【与一】
あわわわっ
皆さん、落ち着いて下さい…！
話せば分かると思いますぅ…
【ヒョウハ】
あたしはヒョウハだ
…町の外れに住んでる
【奏官】 町の外れだと？ そんなところにキル姫がいるなど 聞いたことがないぞっ？
【ヒョウハ】
ああ…
そうなるよなあ…
【ヒョウハ】
人目に付かないよう
暮らしてるんだよ
そんなことより
【ヒョウハ】
仲間が深手を負ってるのに
治療より話が先なんて
無茶苦茶だろっ
【ヒョウハ】
応急処置を済ませたのなら、
早く病院に運ぶべきだ
はい、ごめんよ
【傷ついた奏官】 うおっ…
【梓弓】
マスターを抱えて、
どうなさるおつもりですかっ？
【ヒョウハ】
だから、病院に運ぶんだって
道案内してくれ
【奏官】 おい！ヒョウハとかいったな！ 勝手なことを――
【ヒョウハ】
うるさい！
命がかかってんだ！
あんたも黙ってついてこい！
【奏官】 お、おうっ…
【梓弓】
…先程はありがとうございました
マスターは大事ないとのことです
【ヒョウハ】
そりゃ良かったな
…で、何があった？
【梓弓】
それは…
何故、あなたが気にするのですか？
【ヒョウハ】
うーん…性分かな
あたし、お節介なんだ
【ヒョウハ】
それに、与一のマスターが
偉そうにあんた達のこと罵ってた
だろ？カチンと来たから
【ヒョウハ】
それに…もしかしたら
この事件に異族が関わっている
かもしれないからね…
【梓弓】
そんな理由で…
でも、見ず知らずの方に
お話しするわけには…
【与一】
あのぅ…
梓弓さん…
【梓弓】
どうしたんですか、与一？
【与一】
マスターが…………なので、
…………だと
【梓弓】
なるほど…
【ヒョウハ】
どうした？
また何か起きたのか？
【梓弓】
いえ…
マスターから許可が下りました
【梓弓】
この町で起きていることを、
全てお話し致します
【梓弓】
その代わり、ヒョウハ
あなたにも事件解決を手伝って
いただきたいのです
【梓弓】
いかがですか？
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