210751071 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー インテグラルノア編サイドストーリー「やがて大樹の姫巫女達よ-前編-」 第1話 射抜く者 7 - 射抜く者-7 射抜く者-7 射抜く者-7 戦闘前
【ヒョウハ】 初めまして、だな アバリス
【アバリス】 どうして…!?
【ヒョウハ】 そりゃ、何に対しての疑問だ? まあ、いいや とりあえず…
【ヒョウハ】 そこの奏官が起きる前に 場所を変えよう
【ヒョウハ】 その方がいいだろ あんたのマスターのためにも
【アバリス】 …………わかりました
【ヒョウハ】 この辺でいいか ここなら誰にも聞かれないだろ
【アバリス】 あの… あなたは誰なんですか…?
【ヒョウハ】 あたしはヒョウハ さっきも言った通り、 通りすがりのお節介焼きだ
【ヒョウハ】 この町で起きてる 奏官連続襲撃事件のことが 気になってね
【アバリス】 お節介だけで そのようなことを…?
【ヒョウハ】 やらなければいけないから
【アバリス】 え…?
【ヒョウハ】 …そんな使命感もあるけど、 それがどんな使命かってのが あたしにはわからなくてさ
【アバリス】 つまり、えっと…
【ヒョウハ】 まあ、理由はいろいろあるけど お節介はあたしの性分ってやつさ
【アバリス】 そうですか… それで、どうして… 私を犯人だと…?
【ヒョウハ】 昨夜、あんたはあたしを射ようと したんだ 覚えてないだろうけどな
【アバリス】 えっ…
【ヒョウハ】 そのときは随分、中途半端な殺気だと 思ったけど、気づいたんだ それだけじゃないって
【ヒョウハ】 あれは、あたしがあんたの気配を 察知しきれてなかったんだよ
【ヒョウハ】 弓使いで、隠密行動に長けたキル姫… その辺りで目星をつけたんだが 昼間、たまたま見かけてな
【ヒョウハ】 あんたの矢を
【アバリス】 !?
【ヒョウハ】 前に襲われた奏官の矢傷を 見たことがあったんだ それで確信した
【ヒョウハ】 だから、あんたを見張ってたんだ あっさり尻尾を出してくれて 助かったよ
【アバリス】 …お願いします 邪魔しないで下さい
【ヒョウハ】 だから、やめとけって 今ならまだ引き返せる
【ヒョウハ】 死人が出たら、 もう逃れられないぞ
【アバリス】 分かっています… 逃れるつもりもありません
【アバリス】 全ては、マスターのためなんです! 私のことは放っておいて下さい!
【ヒョウハ】 放っておけるか!
【アバリス】 どうしてですかっ? あなたには関係のないことじゃ ないですかっ
【アバリス】 全部…全部…私が悪いんです…! 私のせいで…マスターは報われずに いる…
【アバリス】 だから…これは罪滅ぼしなんです… せめてものっ…!
【ヒョウハ】 アバリス… あんた、影が薄いよな
【アバリス】 う…う…!
【ヒョウハ】 やっぱ、それが原因か…
【ヒョウハ】 昼間… あの盗人を捕まえたのは、 本当はあんただ
【ヒョウハ】 でも、その手柄は与一のマスターに 持っていかれたな
【ヒョウハ】 あのとき…あんたのマスターは どこにいたんだ?
【アバリス】 マスターは…このところ体調が 思わしくなくて…
【ヒョウハ】 それで単独行動か? おいおい…
【アバリス】 私のマスターは…とても素晴らしい 方なんですっ…!
【アバリス】 ギルドにいつも貢献していて、 他ギルドとの戦いにおいても 私に的確な指示をくれます
【アバリス】 マスターのお陰で窮地を乗り越えた ことは幾度もあるんですよ…! それなのに…
【アバリス】 いつも手柄を他の奏官に奪われて しまうんです… 私が目立たないから…
【アバリス】 私の影が薄いからっ マスターまで低く見られて しまうんです…!
【アバリス】 それでも…ずっと堪えてきました 私がマスターを支えていれば、 きっと日の目を見るときが来ると…
【アバリス】 そう思っていたのに…
【ヒョウハ】 あんたのマスターは… 耐えられなくなったんだな
【アバリス】 数日前、突然マスターが 言ったんです 仲間の奏官を…殺してこいって…
【アバリス】 「俺の手柄を横取りした奴らが 偉そうにしているのは、 もう耐えられない」と…
【アバリス】 私が悪いんです… 全部、私のせいなんです…! だから、私はやらないといけません!
【アバリス】 三回も失敗しました! もう…後がないんです! 今夜こそ…ご命令を果たさないと!
【ヒョウハ】 …………
【アバリス】 そこをどいてください さもないと…
【ヒョウハ】 あたしを殺すのか あんた、間違えてるな
【アバリス】 分かってます! でも…マスターのためなんです!
【ヒョウハ】 ふざけんな! それ以上…目を逸らすんじゃ ねええええええええ!!
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