210901101 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第１話 キル姫の治める町-10
【住民達】 こっちの壁も崩れてるぞ！ 人手を回してくれっ
【住民達】 戦いは町長達に任せるしかないんだ それ以外のところは俺達でしっかり 守り抜くぞ！
【住民達】 町の外に出る者達は魔獣にも 気をつけて！
【カミト】 よっと… けっこう重いな
【グリモワール】
マスターは休んでなさいよ
戦闘の前に動けなくなったら
本末転倒でしょ！
【カミト】 分かってるんだけど… 町の人達を見てたら、僕も何か しないとって思えて…
【アスカロン】
私がマスターの分も働きますから
大丈夫ですよ！
【カミト】 あはは… ありがとう、アスカロン
【住民１】 よう！ あんたが町長の言ってた奏官かい？
【カミト】 こんにちは… 僕に何か？
【住民１】 いや、この町で奏官に会うことは なかったからな 珍しいこともあるもんだと思ってよ
【グリモワール】
そういえば、ここって「ネオ・
ラグナロク」が支配してるのよね
キミ達も信者なの？
【住民１】 違う、違う ここは「ネオ・ラグナロク」に支配 なんてされてないよ
【住民１】 どのくらい前だったかな…？ ティファちゃんをリサナウトって キル姫が連れ出していったんだ
【住民１】 そのとき、ティファちゃんが ついていく条件として出したのが この町を守ることだったんだよ
【住民１】 それ以来、町長達がここを守って くれてるんだ
【カミト】 リサナウトって確か…
【グリモワール】
「ネオ・ラグナロク」の創始者よ
…そのティファって人は何で
連れていかれたの？
【住民１】 そりゃ、ティファちゃんが キル姫だからだよ 何か特別な存在とか言ってたなあ
【グリモワール】
えっ？
キル姫なの？
それに、特別な存在って何よ
【住民１】 ティファちゃんは、どんな傷でも 病気でも癒せたんだ
【住民１】 その代わり…自分が傷を負うことに なったり…目も見えなくなってたな
【住民１】 みんな彼女が好きだったよ だから別れるときは総出で――
【グリモワール】
ちょっと待って！
そのティファちゃんって…
正しくは何て名前なの？
【住民１】 ん？ああ… ティファレトだよ
【カミト】 ティファレト… グリモワール、知ってるキル姫なの？
【グリモワール】
聞き覚えはないわね
そんなキル姫、いたかしら？
【アスカロン】
私も知りません…
天上世界かどこかから来た
新しいキル姫なんでしょうか？
【住民２】 おーい！ サボってないで手伝え！
【住民１】 おっと、いけねぇ じゃ、俺はこの辺で
【カミト】 …ティファレトってキル姫を この町から連れ出す代わりに、 あの三人がここに来た
【カミト】 そんなに重要なキル姫なのかな？
【モニカ】 あ！いたいた！ カミトくん、ちょっとつき合ってよ
【カミト】 あ、うん！ 何をするの？
【モニカ】 町の外に出なきゃいけない人達が いるから、その警護だよ
【モニカ】 結局、あたし達にできるのって そういうことでしょ？
【ルーン】
私達はキル姫なんだから、
戦うのが仕事なの！
さっさと血を見せろよぉっ
【アロンダイト】
逸らないで下さい、ルーン
マスターの品格が疑われてしまいます
【ルーン】
ああん？
まずはお前から血の雨降らせて
やろうかぁ
【モニカ】 ほらほら、二人とも仲良くね
【カミト】 あ、はは… モニカも大変そうだな
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