210901120 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第1話 キル姫の治める町-12
【住民達】 うおおおおおおおお! やったぞ! 俺達の町を守り抜いたっ
【住民達】 奏官なんか怖くないぞ!
【カミト】 …………
【モニカ】 いや~、盛り上がってるね~っ カミトくんも、お疲れ様
【カミト】 うん… お疲れ様…
【モニカ】 どうしたの? 浮かない顔してるね
【カミト】 …今日、知ってる人に会ったんだ 戦ってる最中に
【モニカ】 攻めてきた奏官の中に、 知り合いがいたってことかな?
【カミト】 うん… 知り合いっていうほどの相手でも なかったんだけど…
【カミト】 前に会ったときは、しっかり町を 守ってる人だと思ったんだ だけど、今日会ったら…
【モニカ】 あー… それは仕方ないよ そういうもんだから…
【カミト】 そういうもの、なのかな…?
【モニカ】 立場が変われば考え方も変わる 誰だって自分が大切なんだよ
【カミト】 モニカはすごいな… 僕はまだ割り切れない…
【カミト】 あの人が連れていたゲイボルグも アスカロンと会って動揺してた
【カミト】 カラドボルグとも知り合いだった みたいだし、本当は戦いたくなんか ないんじゃないかな…
【カミト】 でも、マスターの命令には従わないと いけない…
【カミト】 キル姫とマスターは… どうしたって主従関係でしかないの かな…?
【モニカ】 それも仕方ないよ ただ、あたしはルーンくんも エクスカリバーくんも
【モニカ】 ロンゴミアントくんも アロンダイトくんも みんな友達だよ
【モニカ】 何より、愛で繋がってるから♪
【カミト】 あ、愛…? すごいね…
【モニカ】 愛だよ、愛っ この世で一番大切なもの… だからね
【モニカ】 あたしは、君が会ったっていう 奏官は死んで良いと思うんだ
【カミト】 モニカ…!? 何てこと言うんだよっ
【モニカ】 その奏官だけじゃない キル姫を使って町を奪おうとしてる 連中、みんな死んで良い
【モニカ】 あいつらは救われるべき存在じゃ ないから
【カミト】 ちょ…急にどうしたのっ? 何か怖いよ…
【モニカ】 あれ? 気づいてなかった? あたしってこういう人だよ
【モニカ】 生まれてからずっと天上世界に いたんだけど、そこで分かったことが あるんだ
【モニカ】 それについて、地上世界はどうなん だろうって知りたくて降りてきたけど こっちも同じだね
【モニカ】 救われるべき存在と、そうでない 存在がいる
【モニカ】 ぶっちゃけ、ここまで逃げてきた くせに町を襲う奏官はみんな…
【モニカ】 コマンドキラーズの手にかかるべき だったんだよ
【カミト】 待ってよ、モニカっ 彼らだって生き残るのに必死で…
【モニカ】 そんなの誰だって同じだよ それでも他人を攻撃したりせず、 頑張ってる人はたくさんいる
【モニカ】 何であいつらに情けをかける 必要があるの? そんな余裕があるのなら
【モニカ】 真っ当に生きている人達にこそ 助けが必要でしょ? 救われるべきでしょ?
【モニカ】 カミトくん、君だってこの町の人達を 守るって決めたんだよね?
【カミト】 そ、それは… でも…
【モニカ】 …ごめん あたしの良くない癖が出たみたい 今のは忘れて
【モニカ】 君の、そういう優しさは美徳だと 思うよ それじゃ、おやすみ
【カミト】 おやすみなさい…
【イチイバル】 ふむふむ…
【イチイバル】 逃げていったバイブスとキラーズを 追って、ここまで来たけど
【イチイバル】 これは、もうしばらく様子を見た 方が面白そうだね
【イチイバル】 特に、彼女は…
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