220011211 イージス・冥令・ヘル 頼られるのは誰?
照り付ける太陽の下、 一人の姫の叫びがこだました
【イージス】 フンッ、案ずることはなにもない… 私はあらゆる脅威を防ぎきる、 絶対の盾だからな!!
今まさに、 異族との戦闘が 始まろうと――
【イージス】 あ、そこ、 ディフェンスしっかり~
――しているわけではなかった
マスターの隊は、 南の島・ラグーナ島で のんびりバカンス中
【イージス】 ほら、もっと相手の ボールの軌道を読んで
ディフェンスだの、ボールだの、 イージスが言っているのは…
姫同士で繰り広げている ビーチバレーのことだった
【イージス】 そこ!もっと速く!!
理想の隊長を目指すイージスは、 プレイヤーではなく、 監督として参加している
【イージス】 敵から目を離すなっ!
【イージス】 諦めるなッ!! ボールがビーチに落ちる、 その瞬間まで!!
【イージス】 よし、いいぞ! 防御こそ最大の攻撃
【イージス】 このまま守りを固めつつ、 一気に攻め切るんだ!!
盾の力を内包されている彼女… 防御主体となる指示を、 姫達に向かって的確に送っている
そんなイージスに対し、 すごいね、と称賛するマスター
【イージス】 …フン
【イージス】 これくらいは隊を束ねる 隊長ならば当然のこと… 貴様も見習いたまえ
…と、マスターに 辛辣なコメントをぶつける
【イージス】 ここが勝負どころだ! 守り切れっ!!
【イージス】 …あっ!!
だが、ここで予期せぬ アクシデントが発生した
【イージス】 だ、大丈夫か…!?
姫の一人が捻挫をして、 選手交代を申し出たのだ
【イージス】 わ、私のせいで…
責任を感じるイージス
姫達は、的確な指示を送ってきた 彼女に参戦して欲しいと願い出る
【イージス】 なに?私が…?
…が、さっきまでの 毅然とした態度から一変
【イージス】 ちょちょちょちょちょ… ちょっと待て…! そ、それは……
なぜか、急に挙動不審になる
【イージス】 わ、私は…! 監督の方が……!!
兎にも角にも、 イージスを入れてゲーム再開
【イージス】 ………
姫達から、 スーパープレイを期待される イージス
……が
【イージス】 いやぁぁぁ~~!
砂浜に足を取られ、すっ転んだり…
【イージス】 ひやぁぁぁぁぁっ!!
転びそうになった拍子に、 他の姫の胸にしがみついて 水着をズラしてしまったり…
【イージス】 うぅぅぅ……
ドジっ子キャラを炸裂させ、 まったくいいところなし
笑う姫達にツッコまれつつ、 トホホな結果を残し、 選手交代するのだった
【イージス】 ……はぁ
肩を落とし、 コートの外に出た彼女
【イージス】 ……なんだ?
コートの中と外じゃ、 勝手が違うみたいだね? と、微笑むマスター
【イージス】 …はぁ
【イージス】 実は… 監督の時はコイツに 頼ってたんだ…
サーフボードに トランスフォームした盾から、 ノートを出す彼女
【イージス】 監督としてどう指示を出すか… それがこと細かく 書き込まれた台本だ
【イージス】 ビーチバレーの本を熟読し、 作ってきたのだのだが…
【イージス】 もちろん、サーブのやり方や レシーブ、スパイクのやり方も 色々と勉強してきたのだが…
【イージス】 知識はあっても 経験不足では うまくいかないな
【イージス】 それが、この有り様だ…
そう言って、 また肩を落とす彼女
【イージス】 情けない奴と笑うがいいさ…
笑わないよ、そんなに気負わず 楽しめばいいんじゃない? と、彼女を励ますマスター
【イージス】 …フン
【イージス】 私は貴様と違って、 仲間の前では常に 頼もしい存在でいたいのだ
【イージス】 なのに……
【イージス】 ……はぁ
彼女が大きなため息をついた時…
【イージス】 …!
またもや想定外の出来事が発生
【イージス】 あれは……!!
ビーチに異族の群れが出現したのだ
【イージス】 …くっ!
武器を構え、 すぐさま臨戦態勢を取る姫達
そして、マスターに指示を仰ぐ
【イージス】 そうだよね… 戦闘になれば 私には頼らないか……
落ち込んだままのイージスは、 一人戦闘から取り残されて しまうのであった
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