220042212 ティルフィング 理想と暴食
夜も更けたプールサイド
水面には、パラシュの 憂鬱な顔が映っている
【パラシュ】 あのね…
彼女がその理由を語り始めた
【パラシュ】 せっかく、こんな 素敵な場所に来たのに…
【パラシュ】 ……楽しめないんだ
彼女は暴食の大罪を宿す ブラックキラーズ
その背負った業ゆえ、 やはりこういった明るい場所には 馴染めないのか…
…と、心配するマスター
だが、彼女が口にしたのは…
【パラシュ】 ここにいる女の子たち… みんな、明るい水着を着て 楽しそうにやってるけど…
【パラシュ】 ボクの水着は…地味だから……
………
……はえっ?
思わず聞き返してしまうマスター
【パラシュ】 な、なんだよ…! こっちは真剣なんだぞ…
顔を真っ赤にして怒る彼女
どうやら真剣に悩んでいるようだ
じゃあ、きみも 派手な水着を着てみたら? と、提案するも
【パラシュ】 それは無理! 目に痛そうな色味の 水着や…
【パラシュ】 人目を惹きそうな ビキニやハイレグなんて 絶対無理!
そこまで着ろとは言ってないけど… と、心でつぶやくマスター
【パラシュ】 それに…
【パラシュ】 ボクが背負っている業は“暴食”…
【パラシュ】 ここの美味しいご飯を ついつい食べちゃうから…
【パラシュ】 本当はお腹を出すのも 恥ずかしいくらいなんだ……
真っ赤な顔で語る彼女に対し、 「な~んだ、そんなことか」 と返すマスター
【パラシュ】 そんなこととはなんだ! そんなこととは!!
【パラシュ】 お、女の子にとっては 大事なことなんだぞ!
ますます顔を赤くして怒る
そんな彼女が可笑しくなり、 お腹を触ろうとすると…
【パラシュ】 こ、こらぁっ!
【パラシュ】 ロンギヌスじゃあるまいし、 そんなとこ触るな~~~っ!
マスターに、本気でスキルを 発動しそうになるくらい キレるパラシュ
【パラシュ】 ……ったく!マスターみたいな デリカシーのない奴に 相談したのが間違いだったよ!
彼女がプンプン怒って、 帰ろうとすると…
【パラシュ】 …!
プールサイドに数体の異族が現れた
【パラシュ】 …ふぅ
【パラシュ】 なるほど… 君達がこのあたりに 出現しているっていう異族だね
【パラシュ】 ちょうどマスターのせいで イライラしてたんだ
【パラシュ】 カロリーも消費したいから
【パラシュ】 ちょっと暴れちゃおうかな!
ガバッ!と、 彼女が斧を構えた
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