220251203 エルキュール 零式・夏天の微笑
二度目の戦いは 初動の遅れが響き 長く辛いものとなっていた
晴れている空とは対照的に 今や暗雲が漂い始め… キル姫達に影を落とす
【エルキュール】 またしても… 私のせいでこんな混戦に…
【エルキュール】 いつから私は こんなに弱くなったのでしょう
【エルキュール】 こんなことでは… 私は希望になれない
【エルキュール】 希望とは…もっと曇りなく 完璧で輝いていないと…
エルキュール自身の テンションが落ちているからか 戦闘はさらに膠着状態に陥る
彼女の動きはどんどん鈍り 手傷を負うようになっていた
マスターはいてもたっても いられなくなり…
【エルキュール】 えっ?マスター!?
【エルキュール】 いけません、ここは危険です! 退避を…っ!
【エルキュール】 マスター!?
慌てるエルキュールの頬を 両手で挟むようにして 彼女を落ち着かせる
【エルキュール】 私はまたしても失態を…
また自虐しようとする 彼女をマスターは諭す
【エルキュール】 なにを…失敗してもいい?
【エルキュール】 ダメです! 失敗すれば 取り返しがつかない―
挽回はできる まだ誰も倒れていない
それに エルキュールなら大丈夫、と
そう告げると彼女は 不思議そうにこちらを 見つめてくる
【エルキュール】 それは、どういう…?
失敗は辛いかもしれない でも、そこからエルキュールなら 次につなげられる。そう伝える
【エルキュール】 失敗を…糧にする… そういうことですか?
マスターは大きく頷いた
【エルキュール】 …そうだ まだ終わりじゃない
【エルキュール】 希望は簡単に潰えちゃいけない
【エルキュール】 私はなぜ失敗した? 分析して、修正して……
【エルキュール】 失敗した辛さ…悔しさを糧に 力に替えなきゃっ!
そのとき…彼女のなかに あった黒い想いが反転する
それは希望を抱き、 なにがあっても前へと 飛躍するための新たな力…
『零式・夏天の微笑』
その力は光の柱となり 敵と暗雲を打ち砕く!
戦いが一段落したビーチを マスターとエルキュールは 見渡していた
【エルキュール】 この調子ならきっとまた 皆が笑顔でバカンスを過ごせます
目尻に残る苦い涙をぬぐいつつ エルキュールは心から笑ってみせた
【エルキュール】 マスターがいてくれて 本当に良かったです マスターは、私の『希望』です…
大戦果を上げたエルキュールのため 他のキル姫達がつくってくれた 二人きりになれる場所と時間
エルキュールはそれを満喫し…
力を抜いて マスターによりかかるのだった
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