220251204 エルキュール 零式・砂浜の足跡
数日間続いた、 散発的な異族による攻撃…
だがそれも、エルキュールの 新たな力により無事撃退された
マスターのもとへ エルキュールは嬉しそうに 勝利報告に来たのだが…
彼女の声の僅かな陰りを マスターは聞き逃さなかった
【エルキュール】 さすがはマスター わかってしまうのですね…
【エルキュール】 その…私が今回あげた戦果を 皆が喜んでくれたのは 本当に嬉しいのですが…
【エルキュール】 実は私の新しい力に みんな気がついてくれないのが 少しだけ…不安に感じるんです
【エルキュール】 『いつもどおり、すごい力だね』 と…
【エルキュール】 今回はその… 私もがんばって新しい技を 身につけたんです
【エルキュール】 いつもどおり…では なかったんですけど…
【エルキュール】 その…感謝されたいとか 褒められたいんじゃないんです
【エルキュール】 その…あの… なんでしょう…? よくわからなくなりました
そんなエルキュールの頭を マスターは軽く撫で伝えた
エルキュールが苦しんで 新しい技を身につけたこと
全部、自分が見ていたことを
彼女は少し目を閉じて… そしてすぐに、不思議そうな顔で マスターに向き直った
【エルキュール】 …不思議です! マスターにお話したら 不安が減った気がします!
【エルキュール】 …私は皆を幸せにする『希望』
【エルキュール】 だから失敗や不安な気持ちを 見せられないと思っていました
【エルキュール】 でもマスターになら… マスターがいてくれるなら…
エルキュールは マスターの横に座り そっと肩にもたれかかる
【エルキュール】 なんでも打ち明けられて、 私も幸せになれそうです…
軽くなった彼女の心… マスターへの想いによって 新たな力が湧き上がる
それはスキル 『零式・砂浜の足跡』 に目覚めた瞬間だった
暖かな力に包まれて エルキュールは少しずつ 心の内を語りだす
二人きりの静かな… そして濃密な時間は ゆっくりと過ぎていくのだった
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