221051121 限定クエスト クリスマスイベント 聖なる時と樹木奇譚 ストーリークエスト 聖なる時と樹木奇譚 2 - 第1話 「いい子にしていたら」 聖なる時と樹木奇譚 第1話 聖なる時と樹木奇譚 第1話 戦闘前
【少女】 …………
【グリモワール】 「いい子にしていたら、きっと」 そう言ったきり黙ったままね
【リサナウト】 なんだか、悲しそうな雰囲気 なにかあったのかしら…
【リサナウト】 よし、決めたわ ちょっと聞きに行ってくる
【グリモワール】 待ちなさいよ! 斬ル姫が人間の前に出たら 面倒になるって言ったでしょ!?
【リサナウト】 けど、気になるじゃない お礼もしたいし 話をしてみないと
【グリモワール】 キミが散らかしたところを 片付けてもらった恩があるのは わかるけど、そこまでする必要ある?
【グリモワール】 人間にしても 斬ル姫と関わっていいことはない …きっとそう考えてるわ
【リサナウト】 それでも… あの子にとってはなにかだいでぃな…
【グリモワール】 大事なところで噛まないでよ! 怒ってるワタシの身にもなりなさい!
なにをしているの? と物陰でこそこそ言い合っている ふたりに声を掛けるマスター
【リサナウト】 きゃあああああああっ!?
【グリモワール】 ひゃあっ!?
リサナウトとグリモワール ふたりの驚きように思わず ごめん、と謝るマスター
【グリモワール】 ごめんじゃ済まないわよ! このワタシを驚かせるなんて いい度胸してるわね、マスター
【リサナウト】 グリモワールも当主様も ちょっと静かに…
【グリモワール】 ワタシより大きな悲鳴を 上げてたキミに言われたくないわ…
それで、どうしたの? とふたりに問いかけるマスター
【グリモワール】 聞いてよマスター リサナウトったらね――
【グリモワール】 不用意に斬ル姫が人間と 関わるのはよくないわよねマスター ワタシは間違ってないわよね!?
【リサナウト】 でもお礼を言うくらい どうということもないでしょう?
マスターはグリモワールの意見に 同意する
【グリモワール】 そうよねマスター! ほら見なさい! マスターもこう言ってるじゃない!
けれど、リサナウトの 言っていることも間違ってはいない とマスターは続ける
【リサナウト】 当主様! ふふ、当主様が私の意見を 支持するのはわかりきっていたこと…
正しいことがひとつとは限らなくて 時にそれがぶつかり合うこともある と、ふたりを諭すマスター
【リサナウト】 けど、お礼をするのは大事だし それにあんな表情を見たら 放っておけないわ
それはリサナウトの ありがとうを伝えたいという 優しい気持ちだ、とマスター
【グリモワール】 でも、斬ル姫と人間が 関わったことで起きた悲劇を 過去にたくさん読んだことがあるわ
そう言えるのはグリモワールの あの子を傷つけたくないという 優しさの表れだ、とマスター
【グリモワール】 それじゃあ どうしたらいいっていうの?
ふたりの気持ちを汲んだ上で 人間である自分があの子に 声を掛けてみるよ、とマスター
【リサナウト】 名案ね、当主様!
【リサナウト】 ふふ、これは予言ではない 確定事象の報告に過ぎないの…
【リサナウト】 三分後、当主様が あの子にお礼を言って 仲良くなっている姿がそこにあると!
【グリモワール】 …それはあり得ないわね
【リサナウト】 どうしてそんなことがわかるの? あなたの魔術書のデータベースから 導き出した答えだって言うの?
【グリモワール】 ワタシたちが話し込んでるうちに あの子はどこかへ 行っちゃったみたいよ
【リサナウト】 …………っ! これもまた時のいたずらね
【グリモワール】 そうやっていちいち 大袈裟に言ってるから 余計に時間がかかるんじゃない?
とにかく、どうするにしても とりあえず少女を追おう とマスターはふたりとともに駆け出す
【リサナウト】 いたわ、あの木の前よ当主様 あんなところでどうしたのかしら?
【グリモワール】 またなにか言っているようね あんな枯れた木に話しかけて… 一体なにを?
【少女】 わたしね、今日は 街でツリーの飾りが散らかってるの 見つけたから片付けたんだ!
【少女】 あ、そうだ、この木も そろそろ飾り付けしないとね 去年とおんなじように…
【少女】 ねぇ、いい子にしてたら クリスマスには特別なことが起こる って、そう言ってたよね…
【少女】 お母さん… どうして死んじゃったの… もう一度お母さんに会いたいよ…
お母さん、お母さん とつぶやいて涙を流す少女 マスターたちは眺めることしかできない
【リサナウト】 …当主様 やっぱり私はあの子になにか してあげたいと思うんだけど
【グリモワール】 でも、お母さんに会いたいという あの子の願いをかなえることは…
【リサナウト】 …それは私だって理解してるわ でも、ほかになにかできることが あるかもしれないでしょ?
そうだね、とマスターは ひとまず少女へ声を掛けに 行こうとするが…
【少女】 やめてっ!
【ハルモニア兵】 木を処分するのに邪魔です 離れなさい
【少女】 でも、この木には お母さんとの思い出が…
【少女】 飾り付けて クリスマスツリーにするの せめてそれまででも…
【ハルモニア兵】 枯れた木に飾り付けを? おかしなことを言う おい、この子を連れていけ
【リサナウト】 事態急変…どうする当主様?
どうしたものか とマスターが考えあぐねていると すっとグリモワールが動いた
【グリモワール】 …できることはあるわ 考える必要もないでしょう
そう言うとグリモワールは 兵士たちの前へ飛び出して行く
【リサナウト】 ふふ、グリモワールに5ポイント 当主様、私たちも行くわよ!
【ハルモニア兵】 貴様、なに者だ!
【グリモワール】 ワタシは怒り 死者の怒りを代弁する者…
【グリモワール】 死者の遺した想いを断ち切ろうなんて 言語道断! そんなのは生者の傲慢よ
【グリモワール】 怒りを知れ、死者の怒りを知れ 憤怒の炎に焼かれ思い知れ!
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