230012202 ロンギヌス 嫉妬の理由
【ロンギヌス】
………
マスターがいくら呼んでも、 彼女はプールに入ってこない
マスターはプールから出て 彼女の隣に腰掛けた
【ロンギヌス】
………
さっきまで賑やかだったプールは 夜も遅いためか人もまばら 嘘みたいに静かになっていた
そんな中、マスターが 彼女に話し掛ける
みんな、楽しんでるよ せっかくの夏だし、 きみも一緒に楽しもうよ、と
【ロンギヌス】
………
根負けしたようなため息が漏れる ずっと話しかけた成果の現れか 彼女は心のうちを語り始めた
【ロンギヌス】
マスター、
ブラックキラーズである
私が背負った業はご存知ですよね？
【ロンギヌス】
そう…
【ロンギヌス】
『嫉妬』
【ロンギヌス】
これまでの私は強い者に憧れ、
嫉妬していました
【ロンギヌス】
でも、夏という季節は…
私に新たな嫉妬をもたらしたのです
【ロンギヌス】
自分の想いを素直に
出せる子が羨ましい…
【ロンギヌス】
夏を楽しめちゃう
明るい女の子が…
羨ましいんです
【ロンギヌス】
そんなことも出来ない自分が…
ほんと、自己嫌悪で…
膝を抱え、俯く彼女
真面目だな～ と笑うマスター
【ロンギヌス】
…え？
キミも夏の太陽みたいに、 もっと弾けちゃえば？ 彼女の肩をポンポンと叩く
【ロンギヌス】
…なんでしょう……
今の言い方…
【ロンギヌス】
なんかすごくイラっとします…
【ロンギヌス】
夏とは言え…、
マスターは少し浮かれ過ぎじゃ
ないですか…？
【ロンギヌス】
少し頭を冷やした方がいいのでは？
怒ると、余計暑くなっちゃうよ？ とマスターは笑顔で返すのだが…
ロンギヌスは 納得がいかないようだ
【ロンギヌス】
もう…
【ロンギヌス】
本当に…鈍感なんだから…
…え？どういうこと？ マスターが聞き返すと…
【ロンギヌス】
やっぱり少し
頭を冷やした方がいいです
気づかないなんて
【ロンギヌス】
さっきはああ言いましたけど、
私が本当に嫉妬しているのは…
マスターの目を見つめる彼女
【ロンギヌス】
それは…
…と、言い掛けた時に、
【ロンギヌス】
…！
【ロンギヌス】
異族！
プールサイドに多くの敵が現れた
【ロンギヌス】
…ったく、
タイミングの悪い…
【ロンギヌス】
言っときますけど…
今の私は少し機嫌が悪いですよ？
敵に向け、彼女が槍を構えた
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